>> 紹介0911

『土と健康』2009年11月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 小学校を丸ごと絵本にするという

 とんでもないことをやってしまった。

 ぼくの絵本は芸術的な部分が強すぎるのか

 あんまり売れていない。

 でもこの「空間絵本」は、たくさんの人が

 わざわざ見にきてくれる。

 おもいきり「芸術」なのに!

 この場面は子どもたちと学校おばけの

 「つきあいシーン」。

 学校にあるいろんな用具

 (理科室のガイコツをふくめて)

 みんな夜には動き出す。

 11月23日まで(水曜休館)。

 でも29日には十日町教育委員会の主催で

 特別に講演会を流木オブジェの中でやってしまう。  

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 2009年青年部主催 夏の見学会 in 群馬 報告

 ・ 有機農業23年と30年の現場を見る   ・・・・ 池田 晶一

   報告先

   大塚一吉さん 滝の里農場、加藤勝美さんの農場

 ・ 参加者の感想 ・・・・ 野口亮一/宮本雅之/いでまゆみ

 

● 伝えたい!有機農業の技

  リビングマルチとコンパニオンプランツを利用した野菜栽培

   ・・・・ 戸松 正

 

● 放射線照射食品反対!署名へのご協力をありがとうございました

   ・・・・ 伊藤 康江

 

● 種から育てよう70 トマト・チャドウィック   ・・・・ 武田 松男

 

● 「有機農業の基礎・実践編 in 足立区都市農業公園」研修会 報告

  有機農業の本質を学ぶ

  参加者の感想   ・・・・ 藤野 衛/川元 好美

 

● 佐藤喜作のキサクな話『農家と企業の兼業』   ・・・・ 佐藤 喜作

 

● 畑の雑草調査 二年間のまとめ

  ―林重孝さん(千葉県佐倉市)の畑で   ・・・・ 村田 威夫

 

● とれたて青年部⑳ 有機農業との出会い   ・・・・ 清水 彰浩

 

● 熱き心くん   ・・・・ 村岡 里菜

 

● 日本有機農業研究会・調査事業報告(1)

  有機農業について、消費者が理解を広げるために

  『有機農業に関する消費者の意識調査報告』要旨

   ・・・・ 日本有機農業研究会調査事業委員会

 

● ご案内 世界に広がる日本初「提携」 第4回国際シンポジウムを日本で開催

  「地域がささえる食と農 神戸大会」

 

● BOOK『イギリス オーガニック農園への旅』   ・・・・ 橋本 明子

 

● BOOK『生物多様性と遺伝子組み換え作物』   ・・・・ 増田 裕子

 

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■ 日本有機農業研究会の会員には、『土と健康』を毎号お送りします。ぜひ、ご入会ください


>> 紹介0910

『土と健康』2009年10月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

「第4回・越後妻有トリエンナーレ」

夏期間50日が終わった。

半年の制作期間の苦労も3万人を超える人々に

喜んでもらえたことで吹っ飛んだ。

世界初(空間絵本)「学校はからっぽにならない」を

廃校になった学校を丸ごと使って成功したのは、

学校に住むオバケを登場させたからだと思う。

このオバケは、女子更衣室に住んでいるけれど、

子どもたちの楽しい思い出を食べて生きてきた。

名前はトペラトト。彼に会いに、新潟県十日町市

真田小学校へいらっしゃい。

秋期は10月3日から11月23日まで(水曜日休館日)

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 日本有機農業研究会セミナー

 有機農業における堆肥づくりの意義 

森と里と海(湖)をつなぐ「腐植」…鉄の化学   ・・・・ 松永 勝彦

 

混交林にもどすことを最優先に

 昭和30年初頭から国策として成長の早い針葉樹の植林が始まりました。植林後は枝打ち・間伐をしなければならないのですが、間伐材の用途や予算がないため、ほとんど間伐もなされずに放置されたいるのが現状です。間伐がなされないため密生した樹葉により太陽光が遮られ、下草も生育できず、腐植荘もできない状況です。

 森林の腐植土で造られたフルボ酸鉄や栄養塩は海へ

 春に海の表層に光合成生物が増え始めると、2週間程度で、光の届く震度の栄養塩濃度は零になってしまいます。従って、表層に栄養塩が供給されない限り、魚介類の餌は津クララれないことになりますが、じつは森林の腐植土で造られたフルボ酸鉄や栄養塩が河川や小川を通して沿岸海域に運ばれているのです。

 

● 佐藤喜作のキサクな話 『予防の恐怖』   ・・・・ 佐藤 喜作

 

鳥インフルエンザでパニックになり、峠を越えたと思ったら、こんどは豚インフルエンザが人間に感染し、人から人に感染する変異ウイルスになったとして、その対策に集団ワクチン接種を義務づけようとしている。

 

● エアハルト・ヘニッヒ著『生きている土壌』翻訳出版記念講演の記録より

 植物と微生物の共生を傷つけない-有機農業の精神   ・・・・ 中村 英司

 

1.人類の将来に必要な「腐植」のある大地

いのちを支える土壌 重要な「根圏」 「腐植」は、「いのちあるもの」(生命共同体)

2.肥沃土の秘密は、「腐植」

養分を蓄える「腐植」 「腐植」をふやす方法 雑草も根圏を持っている 生きている土壌-植物と微生物が共生 地球規模の「有機の共生の世界」 おいしさを超える-大地の養分を吸い上げる有機の野菜

3.「熟土」と有機農業の世界

「熟土」について いつかは、「熟土」、「熟畑」を 養分欠乏も根圏を見ることから 総体としての土壌をいかに働かせるか-有機農業の共通の思い

 

● とれたて青年部 19 家づくりのワークショップに参加しませんか   ・・・・ 関塚 学

 

 土壁の家を建てることになりました。

 どういう家にしようかいろいろと悩んだあげく、伝統的軸組工法に土壁豊島強いた。土壁の下地は昔ながらの竹小舞。

 母屋をつくる前に研修棟を造ります。この研修棟も土壁ですが、竹小舞かきや荒壁塗りをワークショップ形式で行います。興味のある方は連絡ください。

 関塚学 ℡0283-87-0536 メールアドレス<nitanda☆yomogi.jp> (☆を@に置き換えてください)

 

● 熱き心くん   ・・・・ 山崎 勝久

 

独りよがりだった7年間

 8年目の今年は、妻との深い話し合い、様々な勉強会に参加する中で、自分と家族、そして仕事としての農業の関係をリハビリし、これから進む道が少し見えてきたように感じます。おいしい食べ物と里山の自然に囲まれんがら、家族と共に仕事ができる。そんな有機農業というワクワクできるライフワークを与えてくださったみなさまに感謝し、里山の恵みが、みんなの心と体を幸せにするような、農業経営を実践、計画中です。

 またブログ、ホームページも随時更新中(http://satoyama-farm.com/)です。

 

● 追悼 愛媛の有機農業を育て、有機農産生協を支え続けた

  農業者 越智一馬さんを想う   ・・・・ 秦 左子

 

 5月20日、「越智一馬氏死去」(享年81歳)の法が届いた。愛媛有機農産生協は大きな支柱を失った。私は自分でも戸惑うほどの喪失感と悲しみがこみ上げていた。それは、有機農業の苦難の歴史を彼とともに生きた人たち、それを受け継ぎ守っていこうとしている人たち、そして、私たちすべての組合員の共通の思いであったと想う

 20数年前、私は一馬さんと生協に出会った。「あるものを全部食え、ないものは欲しがるな」

 一馬さんのこの言葉は重い。あの日、一馬さんの畑には、虫に食われてレース状になったキャベツが実っていた。独裁的でアクの強い一馬さんの言葉に抵抗しながらも、私は有機農業の原点を教えられていた。

 思えば、その抵抗が私を有機農業に向かわせ、「消費者の有機農業運動とは何か」「消費者にとって提携とは何か」を、自らに問い続けることになったのである。

 一馬さんは、農業者の視点で考え、有機農業を進め、生協を設立したが、それは、消費者を育て、愛媛の自然と命を守る運動へと繋がっていった。そして、私は、そのなかで「提携」における消費者の位置づけを、まだ問い続けている。

 

● 韓国・有機農業レポート 有機農業者8人の多彩な取り組み   ・・・・ 金 氣興(きむ きふん)

 

 2009年7月27日~8月3日の8日間、韓国の有機農家を訪ねてきた。訪問メンバーは、今年で三回目の開催になる国際有機農業映画祭のメンバーの私と笠原眞弓さん、中村易世さんに加え、長野の織座農園の窪川典子さんの4人。

 韓国の有機農業の現場をビデオに収め、日本に紹介したいということから始まった旅だった。とにかく私の知り合いの方たちに連絡を取り、ヤンピョン郡とチュンチョン市、クェサン市、そしてウムソン郡にある有機農家や有機農業団体を訪問することができた。

 

● 種から育てよう 69 晩生アブラ菜   ・・・・ 岩﨑 政利

 

● ひろば 自著紹介 『有機農業で世界が養える』   ・・・・ 足立 恭一郎

 

 ミシガン大学の共同論文「有機農業と世界の食糧供給」との出合い>> 詳しく

 

● BOOK 『誰にもできる 有機農業  モアーク有機農業経営のすべて』西村松夫とモアークグループスタッフ   ・・・・ 浅野 裕子

 

 モアークは、茨城県つくば市にある農業生産法人で、生産・加工・流通を一貫して手掛けています。>> 詳しく

 

● BOOK 『食卓の幸せ 喜作のキサクな話』佐藤喜作   ・・・・ 上元 紘一

 

 たからものはどこにある>> 詳しく

 

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>> 紹介0908

『土と健康』2009年8・9月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

第4回妻有トリエンナーレが始まった。

ぼくの出品作品「学校はカラッポにならない」

というタイトルの空間絵本だ。

5年前に廃校になった鉢集落の真田小学校が、

「絵本と木の実の美術館」として甦った。

美術館は、卒業生、集落の人に支えられ、

いつも賑わっている。

ぼくの人生最大の作品が完成した。

廃校になった時、のこっていた3人の在校生、

だいすきだった先生、うみさき先生(うさぎの化身)、

2匹のオバケ(トペラトトとドラドラバン)も登場する大スペクタクル空間絵本だ

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 2010年、生物多様性条約・カルタヘナ議定書締約国会議に向けて

 食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク結成   ・・・・ 天笠 啓祐

 

生物多様性条約とカルタヘナ議定書

 1992年、環境と開発に関する国連会議がリオ・デ・ジャネイロで開催された。このとき、二つの条約が署名・採択された。1つが地球温暖化防止を目的にした気候変動枠組条約、そしてもう1つが自然を守り生態系を保護することを目的にした生物多様性条約である。後者が主な対象にしたのが、熱帯雨林保護だった。

 リオ・サミットで締結された2つの条約を具体化し、成果のあるものとするために、それぞれ京都議定書(1997年)とカルタヘナ議定書(2000年)が締結された。前者は、二酸化炭素の排出抑制に数値目標を設定したものであり、後者は、遺伝子組み換え生物の国境間の移動に歯止めをかけたものだった。この生物多様性条約締約国会議 (Conference of the Parties to the Convention on Biological Diversity) とカルタヘナ議定書締約国会議 (Meeting of the Parties to the Cartagena Protocol on Biosafety) が2年に1度開催され、条約や議定書の中身を実効性のあるものにしてきた。

GM作物のない世界をめざし、2010年名古屋に向けて市民ネットできる

 2010年に「生物多様性条約締約国会議(COP10)・カルタヘナ議定書締約国会議(MOP5)が名古屋で開かれる。日本政府の立場は、生物多様性を守るとはとてもいえないものである。それに対して、私たち市民の声を名古屋会議に反映させていく事が大切である。生物多様性条約・カルタヘナ議定書の本来の精神に基づき、GM作物・生物の寄生が世界規模で実現するよう、取り組んでいくことが、私たちの課題となっている。

 

● とれたて青年部 18 通いの研修生を受け入れ中   ・・・・ 深谷 峰子

 

 いま朝5時に研修生の彼らはやってきます。

 お茶を飲みながら、その日の出荷と一日の作業予定を話し、みんなとワイワイやりながら野良仕事をして、瞬く間に時間は夕方になってしまいます。

 両親と私の3人で有機農業をしているわが家では、通いの研修生を受け入れ中です。興味のある方は、ご連絡ください。

 深谷農場・深谷文夫 ℡048-536-7946 メールアドレス<hukayafarm☆ybb.ne.jp> (☆を@に置き換えてください)

 

● 遺伝子組換えナタネの自生 農業と生物多様性への脅威   ・・・・ 河田 昌東

 

はじめに

2004年に農水省が茨城県鹿島港周辺で遺伝子組換えナタネの自生を発表して以来、遺伝子組換え食品を考える中部の会は三重県四日市港と名古屋港を中心に、毎年その動向を調査してきた。2009年6月までに計26回の調査や抜き取り活動が行われた。

GMナタネの自生の原因

日本は年間約200万トンを輸入する世界最大のナタネ輸入国である。その80%以上はカナダからだが、カナダ産ナタネの90%は遺伝子組換え(除草剤耐性)である。国内のナタネ輸入港における自生の様子は各港によって大きく異なる。理由は、荷揚げから製油工場までの輸送途中に、種子がトラックからこぼれ落ちるためで、輸送距離が長いほど種子の拡散が大きいからである。なかでも三重県四日市港の自生は特に多く、環境と農業への影響が懸念される。

● 佐藤喜作のキサクな話 『肉声と電声』   ・・・・ 佐藤 喜作

 

そもそも日本人は話下手に思えてならない。第一に、対する相手により話題を取り出す力が弱い、あるいは乏しい。デンマーク農民のナボ(仲間)夫婦が、土曜の夜は4~5組でコーヒーを飲みながら一晩中語り合う姿を思い出す。

● 緩すぎる! 遺伝子組み換え作物の「生物多様性についての影響」の評価基準   ・・・・ 久保田 裕子

 

日本の場合、遺伝子組換え生物が環境・生物多様性に影響を及ぼしているかどうかを評価する基準は、「生物多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」の国内担保法である「遺伝子組換え生物等の使用等の寄生による生物の多様性の確保に関する法律」に基づき、「遺伝子組換え生物等の第一種使用等による生物多様性影響評価実施要領」で定められている。

この評価基準の下では、周辺にある野生生物の近隣種に遺伝子組換え品種からの花粉が飛散して、交雑が認められた時点では、まだ「影響はない」という評価にしかならない。さらに交雑と親友が進んで、二世代目、三世代目になって広がって、在来の近縁種を駆逐して凌駕し、”優占種”になった段階ではじめて、「影響がある」とされるという事である。予防原則の考え方も採られていないので、例えば担当の環境省も、農林水産省も、「調査を続け、ようすをみる」ことしかできないのである。

● 熱き心くん   ・・・・ 清水 照恵

 

農業は人間の原点

 私が「農」の世界に導かれたのは、一年半インドを始め数か国の旅から帰国してからのこと。どこに行っても物があふれ、捨てられ…それを当たり前と思ってしまう生活に嫌気がさし、「自然と共存したシンプルな生活がしたい」と思うようになった。

 そして「自給自足生活」をイメージし、各地農場で話を聞いたり作業するうちに、「農業は人間の原点なのでは?」と考え始め、またちょうどその頃、それまであまり気にも止めなかった環境の深刻化や我々の生活が途上国の労働力・作物・資源などを搾取して成り立っていることを知り、たどり着いたのが「農」の世界だった。

 

● 不耕起栽培実験と生け垣づくりからみえてくるもの   ・・・・ 涌井 義郎

 

耕す場合の問題点を指摘した『生きている土壌』

すばらしい本が世に出されました。エアハルト・ヘニッヒ著『生きている土壌-腐植と熟土の生成と働き』です。この本では腐植のことやミミズの役割について詳細に解説されています。

1.不耕起栽培、部分耕栽培の実験から学ぶ

2.生け垣を畑の中に作ります、リビングマルチの応用

 

● 「グリーンケア農業」とは何か - 農場の保有する生命資源を健康・福祉に活かす   ・・・・ 佐々木 市夫

 

「グリーンケア農業」とは

「グリーンケア農業」とは、農家、農業生産法人、非営利型企業あるいは営利型企業の組織が、農場の自然・農業資源を活用して非自発的な不利益に悩む人々に対して精神的・身体的な福祉増進を提供するビジネス活動である。

農場を訪れた人も、農業者も、成長を実感

グリーンケア農業の持つ意義について私は、単に農場の生命資源の治癒力や福祉力にばかりもとめるのではなく、グリーンケア農業を実践する農業者その人も変化し成長を遂げる点を最後に強調したい。生産による物的成果だけでなく、他者の成長に役立つような関係をどの程度作り出すことができたかの評価指標が農業者にあっていい。それも農業者の人生に意味を与える鏡だと思うからである。

 

● 映画紹介 「こつなぎ-山と人を巡る百年の物語」   ・・・・ 河野 直践

 

● ひろば 農協に明日はあるか   ・・・・ 松﨑 千尋

 

● BOOK 『食の安全 政治が繰るアメリカの食卓』マリオン・ネッスル   ・・・・ 久保田 裕子

 

 食の安全を巡る対立と問題>> 詳しく

 

● 「全国健康むら21ネット 第4回全国大会in大阪」の報告

4月25、26日 於・大阪勤労者会館

「健康」をキーワードに「日本再生」へ   ・・・・ 大杉 幸毅

 

甲田思想の継承と発展

第1部のテーマは、「甲田思想の継承と発展-少食は地球を救う-」として、まず甲田思想とは何であったのか、それを再認識して共有し、運動としてあるいは個々の実践としてどのように発展させていくのかを探っていくことであった。

基調講演は、顧問の安保徹氏(新潟大学大学院教授)に「少食(生菜食)・断食がどうして体に良いのか、なぜ病気を治す効果があるのか」を最新の免疫学の立場から解説していただいた。

次に、同じく顧問の羽間鋭雄氏(元大阪市立大学教授)から、自ら生菜食を実践されて自分自身の科学的データをとり、研究されてきた成果を基に、「生菜食がいかにアンチエイジングに有効であるか」を発表していただいた。

 

第2部は「日本再生-いのちと環境を守る健康づくり・人づくり・地域づくり-」のテーマで、基調講演は、非行をゼロにした長野県上田市の元教育長大塚貢氏と舞鶴市の限界集落で若い農業後継者を募集して過疎地の農業を守ろうと奮闘している「愛農会」のグループのリーダーの農業青年の取り組みの発表であった。

 

● 達人に聞く 「旬の有機農産物」加工のすすめ19

    バジルペースト・きゅうりの古漬け   ・・・・ 折原 美香

 

バジルペースト

いつもお世話になっている、近くの有機農家のおばさん、米子(よねこ)さんにお伺いしました。

きゅうりの古漬け

これは、わが家の夏の定番!です。

 

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>> 紹介0907

『土と健康』2009年7月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

新潟県十日町市真田小学校、5年前に廃校になった。

今年「絵本と木の実の美術館」としてよみがえる。

「美術館」といっても、学校のままだ。

最後の在学生ケンタは流木で出来ている。

ケンタの思いは、木の実でできている。

木の実は森で拾った。

流木は、伊豆の海と新潟の川と海で拾った。

ぼくは小学校に

森や川や海を持ち込んだ事になるのかなあ。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 茨城県 森と里と海(湖)とつなぐ有機農業推進へ   ・・・・ 大石 光伸

 

有機農業推進法から2年半

 議員立法で「有機農業推進法」(2006年末)が成立して2年半が経過した。農政の抜本的な転換ではないがための「弱さ」(国政としての主体・意志の欠如)と「良さ」(民間の活力・主体を生かそうとする側面)を内包するものの、歴史的には時代の変化(転換点)である。

 この機会を生かし、有機農業が蓄積した実践と思想を、行政をはじめ多くの人々に理解を広げ、社会のあり方・地域のあり方、ひいては人々の生き方・くらし方を変えてゆく社会運動に発展させてゆけるかどうかは、全国の有機農業者・消費者・流通業者の力量にかかっているといえる。

茨城県における有機農業推進計画

森と里と海(湖)をつなぐ有機農業

 県農産課と『茨城県有機農業推進フォーラム』の合同で「推進計画立案プロジェクトチーム」が結成され、県農産課のスタッフをはじめ県農業総合センター研究員が有機農業の圃場での実地研修と討議を重ね、県内部での政策検討を経て、今年(2009年)3月、『茨城県有機農業推進計画』が発表された。  県は「農薬や化学肥料によって地力低下や生物多様性の減退が顕著化」「農業生活用水となる霞ヶ浦等の水系の水質悪化」「日本一を誇る平地林・里山の荒廃」という農+水+林の三つの横断的問題意識を持っていた。加えて畜産県として、有畜複合の厩堆肥作りにも関心を寄せた。 生産者、学校、生協、流通団体など複合的・重層的な「人のつながり」を通して消費者理解の形成を!

茨城県の推進計画においてもそうだが、推進法においてもまた全国都道府県推進計画においても、不十分な点が二つある。一つに「消費者の理解」の意味と形態、二つに「転換」の意志と手法である。

 

● 栃木県 「茂木ゆうきの里づくり協議会」取り組み

  新たな「ゆうきの里」をめざして   ・・・・ 松井 眞一

 

地域有機農業推進事業による取り組み

Ⅰ新規参入希望者への研修支援

Ⅱ有機栽培による農産物地産地消への取り組み

  ①即売会実施を通じた消費者意識の把握、有機農産物のPR

   年間集客力100万人を有する「道の駅もてぎ」にて、7月中旬から9月最終週にかけて、毎週日曜日に農産物即売会を開催し、販売促進を図るとともに有機農業者が直接販売する事により、消費者意識の把握に努め、今回の即売会に於ける消費者の声などは即売会記録簿に整理しています。

  ②レストラン等への共同出荷体制の整備

  ③消費者への普及啓発、消費者との交流

Ⅲ有機農業者としての生きもの調査技術の取得

Ⅳ土づくり効果実証への取り組み(堆肥利用の推進)

協議会が様々な活動を取り組んでいく際に考える事

 有機農業振興のモデルタウンをめざして行くには、イベントばかりを繰り返し開催していても、事業終了後につながっていくものが結局期待できないと考え、「有機農業者の人材確保・育成」及び「販売促進につながる活動」に重点を置き、仲間を増やしていく事を取り組みの中心に据えています。

 仲間が多ければ、茂木町の有機農業をもっとPRできる。そうすれば、自然と有機農業をやりたい人が茂木に集まり、地元の方々の関心も高まる。それが本当のモデルタウンになることではないでしょうか。

 

茂木ゆうきの里づくり協議会事務局連絡先

松井ファーム ホームページはこちら メールアドレス<stonepine☆msb.biglobe.ne.jp> (☆を@に置き換えてください)

● とれたて青年部 17 タネ屋で働く   ・・・・ 小野地 悠

 

埼玉県飯能市の野口のタネ・野口種苗研究所でタネ屋の仕事の手伝いをして1年になります。

日本の食文化の根源の「遺伝子」である種は、日本の風土に合わせて先人たちが生み出し、伝えてきてくれました。しかし今、伝統野菜が消滅しつつあるという問題を知り、危機感を持ちました。そのような思いでタネ屋の仕事の手伝いをしています。

 

● 農家にも環境にも消費者にも「百害あって一利なし」

   斑点米規格を撤廃させよう   ・・・・ 安田 節子

 

カメムシ斑点米とは、カメムシが稲穂を吸汁し、その痕が茶褐色の斑点となった玄米(斑点米)のことです。斑点米は米の検査規格にある「着色粒」にあたり、これが入ると1000粒に1粒という単位で等級が振り分けられます。一等米と二等米の価格差は60キロで約1000円のため、斑点米が入ると農家の経済的被害は大きなものになります。そのため農家は必要以上に農薬を散布しがちとなります。

しかしながら、斑点米があっても、収量、安全性には問題がないものです。

● 秋播き種子をお分けします

   -種子の提供にもご協力ください-   ・・・・ 種苗ネットワーク事務局・種苗部

 

● 熱き心くん   ・・・・ 小林 一朗

 

ファーマーズマーケットを起点に持続可能な社会づくりに取り組む

 生産者と消費者の信頼関係を醸成し、垣根を払い、次の時代を創るための最大のキモ、それが「コミュニケーション」だと思う。だからファーマーズマーケットがいいと思った。農商工連繋の出会い場としても使え、自然エネルギーの展示もできる。主婦層にワーカーズコレクティブ立ち上げも持ちかけてみたい。妄想がいつしかやる気となり、課題はひとつずつ対処することにしてとにかく決めた。

 マーケットは一里塚。先ばかり見たり欲張りすぎるのは良くないが、ここで実現したいのは「持続可能な社会づくりの起点だ」。

● 第37回 日本有機農業研究会全国大会 第1分科会報告

新潟水俣病と有機農業

 

近代化と工業化農業の中で変貌する阿賀野川流域と新潟水俣病

・座長 野中昌法さん(新潟大学農学部)

・報告 神田栄さん(阿賀野川漁業協同組合)

    旗野秀人さん(新潟水俣病安田患者会事務局)

    高野秀男さん(新潟水俣病被害者の会/新潟水俣病共闘会議)

 

野中昌法さん日本の公害の原点-永久示談契約

神田栄さん阿賀野川のサクラマス漁の変遷

旗野秀人さん新潟水俣病はいまだに未解決

高野秀男さん生かされなかった判決

● ひろば 登山と有機農業   ・・・・ 山本 宗明

 

田植機の上で

わたしは19歳で登山を始め、爾来40年を超える。若い頃は国家公務員として働くかたわら、槍ヶ岳や穂高岳で正月を過ごし、1974年、アラスカのMt.マッキンリーに登頂した。現在は、テントをかついで夏の赤石山脈(南アルプス)に単独で通い、日常は新聞に登山案内を連載し、NHK登山教室の講師も務めている。個人山行を含め山行日数は、年間60日を超える。

「こんなに山を歩いていて、どうして有機農業と両立を?」と、今回の出版を機に、ある人に聞かれた。これに答えようとするのが本稿の目的である。そのためには、わたしの有機農業に対する取り組みと、ライフスタイルを紹介する必要がある。

● 佐藤喜作のキサクな話 『タブー』   ・・・・ 佐藤 喜作

 

かつてわが家には、いろいろなタブーがあった。

それはわが家だけが特殊であったわけではない。かくんというほどではないにしても、かなり厳しいものであったように思う。

● BOOK 『フード・ウォーズ』T・ラング、M・ヒースマン 著、古沢広祐、佐久間智子 訳   ・・・・ 丸山 茂樹

 

 食と健康の未来を開く>> 詳しく

 

● BOOK 『なにを食べたらいいの?』安部 司   ・・・・ 中村 易世

 

 食の安全は何処へ? 増え続ける食品添加物に警鐘>> 詳しく

 

● BOOK 『自殺する種子』安田 節子   ・・・・ 森 淳二

 

 農業国でなぜ人が飢えるのか>> 詳しく

 

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>> 紹介0906

『土と健康』2009年6月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

この夏(7月26日~9月13日)

新潟県十日町と津南町で開かれる

妻有トリエンナーレ「絵本と木の実の美術館」に

ぶら下がる100本の流木オブジェを

森の中にぶら下げてみた。

流木たちは、どこの森から流れ着いたか分からないが

懐かしさをいっぱい表現して、森に馴染んでいた。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 有機農業への力強い励まし

『生きている土壌 腐植と熟土の生成と働き』によせて   ・・・・ 佐藤 喜作・魚住 道郎

 

生きる土台にある「土」の危機

 生きる土台にあるのは土である。それがここ数十年の近代化農業の果てに壊され、死滅しようとしている。土壌の消耗は保肥力・保水力を失い、化学肥料由来の肥料分の流亡が激しい。これを救える物は、有機農業しかない。

生命循環の鍵となる腐植

有機農業の核心は堆肥であり、腐植である。著者エアハルト・ヘニッヒ氏は、そうした農業の根本問題である土壌を取り上げ、土壌学・土壌微生物学などの幅広い知見を踏まえて多方面から解析した。

 

● 2009年3月1日 青年部主催 有機農業入門講座2009 報告

有機農業を始めました! 88人の実践 出版を記念して   ・・・・ 関塚 学

 

パネリスト

阪本美苗さん 山形県 さかもと自然農園 1995年就農

山木幸介さん 千葉県 三つ豆ファーム 2005年就農

鈴木茂孝さん 静岡県 伊豆松崎とんび農園 1998年就農

司会

佐久間清和さん 千葉県 さくま草生農園 1997年就農

 

 

【人生のモットーは?】

鈴木 何でも好奇心を持って、一所懸命やるということ。

山木 生命力とバランスという言葉を大切にしています。

阪本 食は命ということ。土と生きることは人間として根源的な当たり前のことなんだなと、思います。

【新規就農者へのメッセージ】

鈴木 もしだめだったら違うことをやってもいいやぐらいの思いでもいいので、とりあえずやってみるということが必要ではないかと思います。

山木 とりあえずやってみることが大切。自分に合うかどうかも含めてやってみないと分からないでしょう。そして、やると決まったら覚悟を決めること。

阪本 地域への心くばりが必要。都会よりももっと密な人間関係のところへ行くと思っていないと失敗すると思います。

 

○出版記念懇談会

「有機農業をはじめました! 88人の実践」に掲載されている方による懇談会も行われ、栃木県から武藤俊郎さん、小林裕次さん、小野寺徹さん、長野県から河辺さんご家族、はるばる岡山県から脇田忍さん、そして埼玉県の谷川拓也さんに参加していただきました。

● とれたて青年部 16 国産品   ・・・・ 池田 晶一

 

去年に引き続き、綿を植えます。

今年は、藍の生葉染めをやろう!という話になり、量をある程度確保しなければならなくなりました。

 

● 放射線照射食品、何が問題か   ・・・・ 河田 昌東

 

1.食品照射の目的

2.放射線照射でおこること

3.放射線照射で生ずる新たな物質

4.ビタミン類の破壊

5.アメリカの動向

6.日本の動き

7.食品照射は、生産者にとっても消費者にとっても不必要で危険な手段である

 

● ブラジル・トメアス入植80周年

ガランチード(日系1世)たちの森林農業   ・・・・ 山根 瑞世

 

1年ほど前、ブラジルのアマゾン河口から約200キロ(バスで5時間)南下したトメアス日系移住地に、約2週間滞在した。事前の知識はほとんどなかった。けれど滞在日数が増えるにつれ、「これはすごい農業の現場にきてしまったのかもしれない」と思うようになった。というのもここの日系人たちが、熱帯果樹やコショウなど多種類の作物や用材となる樹木をひとつの農地に混植し、立派に経営を成り立たせていたからだ。

伝説の人、坂口陞(のぼる)さん

坂口さんは、1970年にトメアス総合農協(CAMTA)の農事部担当理事になった。ちょうどコショウの病害が広がり始めた時期で、<コショウの代替作物の選択>という難題を一任された。あまりの責任の重さに悶々としていたある日、坂口さんはおもいあまってハンモックを片手に小舟に乗り込んで旅に出る。原住民の生活と農業を見るためである。

そこで目にしたのは、先祖伝来の土地に誰がいつ植えたというのでもなく雑然と多種類の樹木が植わり、元気に育っている姿だった。それでいてよく見るとちゃんと生態学的に理にかなう構成になっている。坂口さんはハッとした。このときの見聞が熱帯作物についての考え方の基礎となり、のちにアグロフォレストリー(森林農業:System of agroforestry)を生むヒントとなるのである。

 

● 第37回 日本有機農業研究会全国大会 分科会報告

 

○第2分科会 地域ぐるみの有機農業   ・・・・ 大沼 俊明

 第2分科会は「地域ぐるみの有機農業」をテーマに、石塚美津夫さん、斉藤文子さん、岩淵成紀さんの報告を聞いた後、意見交換を行いました。参加者は50名を超え会場はほぼ満席で、報告者との質疑、自らの実践体験に基づく意見・提案など活発な討議で時間が足りない状況でした。

 

○第3分科会 『提携』活動と食育教育   ・・・・ 若島 礼子

 報告者の話の概要は以下の通り。

 ・平出糸子さん:「命、食にあり」と50数年、有害な化学物質の追放運動に取り組んできた。

 ・佐々木功さん:佐渡市で無農薬・無化学肥料で米作りをしている生産者と援農を通して交流している。

 ・魚住道郎さん:学生時代に出会った水俣の人たちとの関わりが原動力になり、以来40年有機農業を続けている。

 

○第4分科会 地球・温暖化・遺伝子組み換えと有機農業   ・・・・ 舘野 廣幸

 地球温暖化と遺伝子組み換えは一見別の問題のように思われますが、実はこの二つは非常に密接な関係にあります。なぜなら、地球規模で進む温暖化に対処する有効な農業技術を持たない慣行農業は、遺伝子組み換えという生命改変の手段に頼ろうとする方向に研究を進めているからです。

 

○第5分科会 世界恐慌と有機農業運動   ・・・・ 山田 勝己

 第5分科会は、経済不況が世界恐慌にまで発展するとの危惧を抱いた中屋敷幹事が状況報告と日本有機農業研究会のとるべき方向性を提案した。それを受けて、会場との活発な意見交換も行われた。

● 各地から 中国『食と農・広島県協議会』発足!   ・・・・ 那波 邦彦

 

「食」と「農」に関わる取り組みを通して、環境を保全し、生命(いのち)を守り育むことを共通の目標として、『食と農・広島県協議会』が4月22日に発足しました。

● 種から育てよう 68 大豆 八郷在来   ・・・・ 魚住 道郎

 

地元の青豆を作り続けて20年

大豆は土地を選ぶと言われている。在来種は食味・耐病性・耐虫性などすぐれた形質が残り、古来より受け継がれて今に至る。先人たちの努力に感謝。

● 佐藤喜作のキサクな話 『火』   ・・・・ 佐藤 喜作

 

5月半ばというのに北海道から雪の便り。驚くことはない。かつて6月中旬に、わが地にも降ったのを覚えている。

● 国内外で野菜栽培指導歴40年の矢澤佐太郎さん直伝

新規農業者に伝えたい 農の技   ・・・・ 矢澤 佐太郎

 

就農年数が短いことなどから、経験を積んだ農家の伝統農耕技術や近代農学の知見が十分に生かされていない場合があるようです。生業としての有機農業卯を考えるとき、安全で周囲の生態系と調和した農耕技術として生産の安定性、収量性、品質を高め、収穫時期をずらすことなどにより経済的生産技術としての改良が望まれます。

日本や外国も含めて有機農業に取り込みやすい農耕技術、考え方を野菜について思いつくままに掲げていくので参考になれば幸いです。

1.覆下(おおいした)栽培、2.日向(ひなた)つくり、3.練り床またはソイルブロック、4.夜冷育苗、5.稚苗と大苗の使い分け、6.防風囲い、7.太陽熱による病害と雑草の低減、8.ニンジン、レタス、リーキの混植、9.雑駁な種子もひとつの特性、10.水田後作のイチゴ、11.デバーナリゼーション利用で春先のダイコン作り、12.緑肥のいろいろ、13.神が宿る畑

● 熱き心くん   ・・・・ 平山 俊臣・優子

 

農を暮らしに取り入れるために、夫が一年間農業研修をうけました。4月に研修を終え、現在、千葉県市原市にて5畝の畑、7畝の田んぼ、竹ティピーの納屋作りに奮闘しております。

● コラム 土と健康・血と病気   ・・・・ 田村 豊幸

 

多くの作物が土壌次第なのとまったく同じように、病気は血液の性質次第で起こったり自然に治ったりするところをみると、いまさらのように医食同源・農医同源なことを思わせる。

農学と医学は協会をなくして話し合ったら、新しい発見が続々現れて、ノーベル用も日本の有機医農学者の中からもらえるようになると思う。

 

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>> 紹介0904

『土と健康』2009年4・5月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

7月26日から50日間、新潟の妻有地方で開催される

妻有トリエンナーレに、新潟県十日町市真田小学校を

まるまる作品にしようと考えている。

体育館に流木で作ったオブジェ百体ぶら下げる

とてつもない計画を立てた。

ぼくの住んでいる伊豆だったら、

手伝ってくれる人手が集まりにくい。

そこで、横浜市緑区中山町に一軒家を借りた。

取り壊しになる運命の、古いけれどちゃんとした

日本家屋を買い取った方が、貸してくださった。

今ここで流木オブジェが生まれている。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 大会報告 全国有機農業者の集い 新潟大会

 はばたけ、有機農業

 

○ 第37回日本有機農業研究会全国大会参加のお礼と報告   ・・・・ 鶴巻 義夫

 3月14日・15日開催した全国有機農業の集いには、全国各地からはるばる新潟の田舎まで多数ご参加いただきありがとうございました。参加人数も400人を超え、熱気あふれる大会になりました。

 有機農業は、農業技術と共に、農業技術の背後にある考え方も学ぶところから、共通の輪が広がっていくと思います。そしてさらに、全国での先駆的な有機農業への取り組みについても交流を深めてゆけば、関係者の関心は更に高まるものと思います。

 今後とも、この大会に多数の有機農業者や消費者が集い、開催地域の関係者に有機と希望を与えると共に、有機農業の一層の発展につながることを期待しています。

● 第37回日本有機農業研究会全国大会&総会 報告

 

○ 全国有機農業の集い2009 第37回日本有機農業研究会新潟大会 アピール   ・・・・ 参加者一同

はばたく有機農業めざし、「チェンジ」を!

 

○ あいさつ 抄録   ・・・・ 佐藤 喜作/鶴巻 義夫/町屋 隆/小川 弘

 

・佐藤 喜作  日本有機農業研究会理事長

 昨年から始まった不況、強行の中で「派遣切り」が問題になっておりますが、考えてみますと、この国では前から「農村切り」が始まっておりました。それを問題にしなかったことに大きな問題があるのではないかと思います。

 このような状況で、今心配しなくてはならないのは、農する人も、食べる人たちも、われわれのいのちのこと、健康のことです。そういう警告を与えてくれたのは、水俣病です。

 混迷の続くこの社会、これにどう立ち向かい、どう変えていくか?私たちが間違いのない一つの姿を求めるために役立つような、有意義な大会になりますよう、心からご祈念申し上げて、大会のご挨拶に代えさせていただきます。

 

・鶴巻 義夫  大会実行委員長/にいがた有機農業推進ネットワーク共同代表

 新潟は昨年、佐渡にトキを放鳥しまして、3羽が本州に羽ばたいてきて、私どもの隣、十日町にも来ました。トキがはばたいた、それが新潟ではマスコミをにぎわし、県民の関心事になっております。そういうことで今大会は「はばたけ有機農業」というタイトルをつけました。

 

・町屋 隆さん  新潟県農林水産部長(泉田裕彦知事の代理)

 わが県の農業は米が中心でございますが、どうやって米を売るかということで一生懸命に取り組んでいる中で、中国の毒入り餃子や事故米の事件が起こりました。やはり安心安全が大事だということで、地域の方と一緒になって、何とか安心安全の取り組みを盛り上げようと取り組んでいるところでございます。

 環境にいい農業の取り組みを、われわれも一生懸命に皆さんと一緒に安全安心な食物供給に努めてまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

 

・小川 弘さん  新発田市副市長

 ようこそ、新発田市へ。全国各地からおいでいただきましてありがとうございます。

 新発田市は、食の循環による町づくり基本条例を制定いたしました。食によってまち起こし、まちづくりを進めております。

 私も小さいときは農家に育ちました。川はきれいで、ドジョウ、フナ、タニシ、ヤツメウナギがおりました。今は全く見かけることがありません。これは農薬をバンバン使って生産量を上げて、経済と同じに右肩上がり政庁政策を国が推し進めて、それに国民も乗っかってきた、そのツケが今きているわけです。そして、みなさん方が取り組んできたおかげで、有機農業の大切さがようやく国民全体にしれわたってきております。ほんとにみなさん方の活動、そして研究に敬意を表します。

● 全国有機農業者の集い

 記念講演 水俣に導かれて   ・・・・ 熊本学園大学教授  原田 正純さん

 

原田先生が水俣病事件にいて経験なさったことがらを、水俣病の発見、原因の究明の難しさ、食物連鎖と濃縮といった科学的な視点からだけでなく、患者を診る際の患者の生の声やその頃の生活環境あるいは、補償の問題、さらには、胎児性有機水銀中毒の発見に至るさまざまな視点から水俣病・水俣学を語られています。(HP管理者まとめ)

食物連鎖を通して起こった水銀中毒

 人間と毒の関わりは古くからありました。水銀中毒はローマ時代に記載があるくらいです。しかし、これらの中毒は間違って食べてしまったり吸引したという直接中毒で、自然界の中で食物連鎖を通して起こった中毒というのは、水俣病が初めてです。水俣病はよく「公害の原点」といわれますが、これが公害の原点といわれる一つの大きな理由です。もう一つは、お母さんの胎盤を通って中毒が起こった胎児性水俣病、これも人類史上初めての事件です。

水俣病の三つの責任

水俣病には3つの責任があったと思います。この責任を私たちはきっちりと確認して、教訓にしないと同じことが繰り返されるのではないかと思います。

1.発生責任(知らなかったでは済まされない、安全性確認の責任)

2.被害を最小限にする責任(被害拡大防止責任)

3.被害者に対する補償(償い責任)

 

田中正造は、農民を指導しようと思って谷中村に入ったけれども、谷中村の農民たちからたくさんのことを学び、それを「谷中学」といいました。それにあやかって、私はおこがましくも、水俣のあの不幸な事件から学べるものがあるならということで、「水俣学」を目指して模索しているところです。

 

● 第37回有機農業研究会通常総会報告

  「一楽思想」を顕彰し、

腐植に富んだ農地の再生、地域での自給を主体にした

 農と森・林・川・湖・海の流域ネットワークによる

 有機的なつながりを!   ・・・・ 日本有機農業研究会総務部

 

 自然と人、人と人の有機的つながりを!

国策として進められた重化学工業と近代化農業の路線は今も続いており、すでに農地をはじめ、森林・里山、河川・海などの環境破壊・汚染が進んでしまいました。このようなとき、まず、肥沃な農地の再生が必要です。腐植は森にも林にも必要であり、それは海の魚の食べ物にもつながっています。森・林・川・湖・海の流域ネットワークをつくり出し、地域での自給を主体にした有機的つながりをさらに太くしていくことが求められます。

 

● 佐藤喜作のキサクな話   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 本当の日本食

それは、主食、副食の概念。sの基本は一汁一菜。主食のご飯、みそ汁、漬物が主体になり、あとはわずかなおかずが加わり、主食、副食の交互食で口内調味をする食事方法である。

 

● 現地見学会報告

 

○新潟水俣病と阿賀野川コース   ・・・・ 飛田みえ子

 「公害のむごたらしさ」は、その毒性が身体を蝕むに留まらず心まで蝕み、風評被害を恐れる余り被害者を村八分にしたり、補償を受けたものに「金目当て」だと嫌がらせをしたり、地域のつながりまでズタズタにし、さらには家族の信頼までも壊していくことにあると知った。

○ゆうきの里ささかみコース   ・・・・ 平井 孝彦

 今回の見学では笹神地区の有機農業に対する取り組みを象徴する場所を巡りました。地元の有機農業に対する想い、そして、「循環」を意識した行政の熱心な取り組みを感じることができました。

 

● 参加者の感想

 

○水俣病と六ヶ所村   ・・・・ 中屋敷 重子

○勇気をもらった2日間   ・・・・ 井上 陽平

○まさか小学校の理科の先生に再会するとは!   ・・・・ 井村 祥子

○農の大切さを再認識   ・・・・ 小泉 和弘

○実行委委員会の決断と勇気に拍手   ・・・・ 玉井 道敏

 

● 種から育てよう 67 キュウリ 那須野&夏味   ・・・・ 戸松 正

 

 味、形よく、病気に強い

 

● 熱き心くん   ・・・・ 早川 葉子

 

 3月上旬、カナダに夫を残し単身帰国。日本の実家で有機農業ができたらと思い、12年慣れ住んだカナダを一時離れました。自分のファームを持ち経営できるということにあこがれ、田んぼのある滋賀の兼業、慣行農家の実家に帰ってきました。

しかし、私の考えは甘かったのかも知れません。祖母の農業と、私のやりたい有機農業はあまりにも違いすぎました。

● とれたて青年部 5月から、毎月1回「アースディマーケットちば」開催!

 

 JR千葉駅近くの、「千葉銀座通り」でカフェを開いている野口由布子さんが発起人となり、商店街を巻き込んで、「アースディマーケットちば」を毎月1回開催するkと尾が決定しました。

 

● 斑点米規格に関するアンケートご協力のお願い   ・・・・ 米の検査規格の見直しを求める会

 

斑点米規格に関するアンケート

 

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>> 紹介0903

『土と健康』2009年3月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

野菜シリーズのつもりで創った作品。

マイちゃん(次男の嫁さん)が気に入って

「すごい! この子を助けてるのよね!」と

褒めてくれた。

本当はヘチマ棚にゴーヤが

ぶら下がっているところなんだけどね。

でも、見方が違った方が、

楽しめるということだね。

アートを見る人に

どう見るかゆだねた方が、

創作の自由さを

鑑賞者と共有できるように思われるのだ。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 報告 使い捨て時代を考える会の35周年記念シンポジウム

世界同時不況、食料不安の中で

「食糧自給率0%」を考える   ・・・・ 槌田 劭

自立と共同互助意義を再確認

 

 使い捨て時代を考える会は昨年35周年を迎えたが、会は当初より食糧問題とくに、食の安定に注目してきた。

食糧管理制度が廃止され10余年の時が流れた。このような状況で私たちは「縁故米運動」を行い、さらに2008年から「南丹プロジェクト」を行っている。

この線上に開催されたのが本集会である。午前に基調講演として森美智代さんに「少食は慈悲の思想-甲田光雄先生に学んで」を聞き、午後には有機農業における大先輩佐藤忠吉さん、佐藤喜作さんを招いてのパネルディスカッションを行った。

「温故知新」。この集会の基調である自立と協同互助の意義を再確認することができた。

 

● 佐藤喜作のキサクな話

すっきり、かっきり   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 「豊かなくらしにはゆとりがない」など、つくづく思う。

これは貧乏人の泣き言なのであろうか。求むべき豊かさとは何であろうか。

 

● 第8回 たねとりくらぶの集い 報告

落花生及び栄養繁殖性作物の栽培・採種・育種について

 

 ・落花生とカンショ   ・・・・ 雨宮昭彦

 ・サトイモとヤマノイモ   ・・・・ 鈴木健司

 

● 報告 夏の日本有機農業研究会シンポジウム

「提携」と一緒に「堆肥わくわく運動」を   ・・・・ 柴田 光幸

 

 うちでは20数年来、お米に始まって、野菜、卵、鶏肉など、ほとんどの食べ物を「松戸有機の会」を通じたものを毎日食べてきました。そして、私も「堆肥わくわく運動」に啓発されて、狭い庭に自分で「わく」を作りました。

生ゴミ、落ち葉に、鉢の土や庭の土を入れることを繰り返し、1号わくは幅80センチ、奥行き45センチ、高さ75センチくらいです。2ヶ月ほどで満杯になりました。1号わくがいっぱいになって、2号わくを作りました。生ゴミの処理を手抜きしたらウジ虫だらけでさあ大変。魚住さんに相談したら通常の処置で大丈夫とのこと。いつの間にかいなくなりました。

できあがった堆肥に魚住さんから坊ちゃんかぼちゃの苗を2株いただき植えました。収穫できた1個は自分が育てたかぼちゃですから、大変甘い感じがしました。

 

● 種から育てよう 65 マサカリカボチャ   ・・・・ 斎藤 昭

 

 「北国の まさかり南瓜 鉈で割る」

北海道長沼町に住む中野勇二さんから、長年育てられたマサカリカボチャの種子と共に送られてきた俳句です。

 

● とれたて青年部 15 種子採り講習会 in 小川町   ・・・・ 深谷 峰子

 

 まだまだ寒い日が続く中で、踏み込み温床を利用して春・夏野菜の種まきが始まっています。そんな中、1月31日に埼玉県比企郡小川町で、長崎県の岩崎政利氏を講師にお招きして「種子採り講演会」が開かれました。

 

● 種から育てよう 66 大玉トマト 雨ニモ負ケズ   ・・・・ 戸松 正

 

 30年以上有機農業を続けてきたが、露地でトマトを作ることに長年苦労してきた。

10年前から果菜類のたねとりを始めた。すべてF1からの出発であった。トマトは強力光玉から2代目の種をまいた。その結果は見るも無残で130本のうち正常果で疫病にかからなかったのはわずか10本くらいだった。

2~3年そういうことを繰り返しているうちに、疫病株は徐々に少なくなり、4~5年で固定化していった。そんな訳で梅雨の雨にも強い品種として「雨ニモ負ケズ」と命名した。

 

● 熱き心くん!   ・・・・ 上田 聡明

 

 私は北海道追分町(現安平町)で6年前に就農し、現在「スタッフ」14名(猫8匹、犬6匹・・・ヒトは私ひとりです)とともに平飼い養鶏と野菜の栽培を営んでいます。就農を志すまではまったく農業と縁のない生活を送っていました。

就農して6年、北国の厳しい気候にあっても自給自足の延長線上で何とか暮らしていますが、試行錯誤の連続で、なかなか思い通りにはいかない状態です。鶏は私の面倒見が悪いばっかりに産卵が不安定になり、たまごの数が足りなくなって、いろんな人に頭を下げることもしばしば。

また畑の野菜も虫のごちそうになったり、成長の早い草に埋もれたりでむなしくもなりますが、身近にあるものを活用し、土を良くしながらおいしいものを作れるようにしていきたいと思っています。

 

● 千葉県委託事業 「有機農業者技術交流会」を受けて   ・・・・ 笠森 亨子

 

 第1回目の11月9日は寒い中ではありましたが、外での圃場見学、第2回目の12月14日は心でつながる産消提携をテーマに旬の野菜と手作りの味噌を使った料理をしました。

技術交流会の午後からは体験発表とワークショップを行いました。私のテーブルでは慣行農法でぶどうを作っている方が無農薬で作りたいという話が出ました。こういう慣行農家の方が話を聞きに来てくださったことが、非常に嬉しいことでした。

 

● BOOK 『暗夜に種を播く如く』一楽 照雄/協同組合・有機農業運動の思想と実践

 

 「農薬や化学肥料を使わない農業、それが有機農業であるというだけの単純な解釈にとどまっていると、今日の社会のいろいろな矛盾を看過することになる」 一楽照雄 >> 詳しく

 

● BOOK 『野菜が壊れる』新留 勝行   ・・・・ 阪本 孝司

 

 有機農家を後押しする本>> 詳しく

 

● BOOK 『お日さまごはん-大地の野菜レシピ』田中 久美子   ・・・・ 笠原 眞弓

 

 野菜がいとおしくなる エッセイ+料理書>> 詳しく

 

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>> 紹介0901

『土と健康』2009年1・2月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

新年おめでとうございます。

 

世の中不況だそうです。

失業者があふれていて、もっと増えるらしい。

この際、打ち捨てられている田畑を、

仕事のない人たちに、

どんどん耕してもらえないっだろうか。

野宿者も増える勢い。

過疎の村で朽ち果てようとしている空家に

住んでもらえないものだろうか?

さて、今年いよいよ十日町「絵本と木の実美術館」が

正式に開館する。

4年前、廃校にされた小学校がよみがえるのだ。

7月27日から妻有トリエンナーレ出品作品となる。

最後の在校生ゆかチャンが、

校庭での野菜づくりが一番楽しかったというから、

ぼくは野菜のオブジェづくりに励んでいる。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 新春談話 積み上げよう、農の力   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 旧年、今年の漢字は「変」というものでした。そして海の向こうでは「チェンジ」を掲げた大統領候補者が支持されました。

 日本では、戦後の改革にチェンジを重ね、大事な日本文化をかなぐり捨てて今日があります。それは、世界中何もかもマネーから出発する悲劇であったと思うのです。

 有限の宇宙、地球の大自然の摂理こそ、人間の教師であると思うのです。そのうえに立って、限りあるいのちの健康という物差しで自給を基本にした、諸人の役割の設定と、諸国の自立と自決を柱に相互扶助ができる地球にすることが、あるべき姿ではないでしょうか。

 

● 第37回 日本有機農業研究会全国大会・総会のご案内

有機農業の集い2009 新潟大会

大会テーマ はばたけ 有機農業   ・・・・ 鶴巻 義夫

 

 新潟県では07年6月23日、これまで有機農業に取り組んできた農業者と今後有機農業を目指す農業者が緩やかなネットワークを組織し、消費者、行政、研究機関、関係団体なども一緒になって有機農業の推進に向け取り組んでいくことを目標に「にいがた有機農業推進ネットワーク」が設立されました。

 また、新潟県は、水俣病の地としても知られ、今回の会場は現地阿賀野川近くに位置します。大会では熊本学園大学の原田正純先生をお招きし、改めて水俣病について学び、有機農業の原点を考えたいと思います。

 

・ 第1分科会 新潟水俣病と有機農業

工業化農業推進と不可分の水俣病   ・・・・ 野中 昌法

 

 水俣病は終わっていない。長年の偏見と差別の中で潜在的な患者が多数埋もれているのが実態で今後増えることが予想され、現在「もやいなおし」が行われている進行中の公害事件である。

 

・ 第2分科会 地域ぐるみの有機農業

 

 「ゆうきの里」ささかみは国内屈指の有機農業の里である。また、夢の谷ファームは報告者石塚美津夫さんと地域で活動する「にいがたエゴマの会」の有志が世話人となって団塊の世代の消費者を中心とした約10家族が一緒になって平成18年組織したユニークな有機農業実践集団である。

 

・ 第3分科会 「提携」活動と食農教育

 

 生産者と消費者が手を携え協力して有機農業を進める「提携」活動が日本の有機農業を発展させてきました。今日、グローバル化する食と農の経済の中で、改めて農家と都市生活者の人と人の友好的つながりが求められています。

 

・ 第4分科会 地球温暖化・遺伝子組み換えと有機農業

 

 米どころの新潟で取り組まれているGMイネ裁判を通してGMイネの技術、環境、食の安全が浮き彫りになっています。

 

・ 第5分科会 世界恐慌と有機農業運動

 

 投機が投機を呼ぶマネー資本主義の中、じっくりと土に足を踏まえた暮らしをつくるにはどうしたらよいか。皆でこれからの課題を話し合いましょう。

 

● 集会報告 World Foodless Day 2008 もうひとつの世界食料デー

つくられた食料高騰・食糧危機の根本原因を探り

有機農業で未来を開こう!   ・・・・ 増田 裕子

 

 昼の部の講演会では、まず日本消費者連盟の山浦康明さんが、2008年前半の食料価格が高騰した理由について話されました。ついで、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」の天笠啓祐さんは、遺伝子組み換え食品・作物についての13のポイントを上げました。最後に、日本消費者連盟運営委員の真下俊樹さんは日本の食糧自給の可能性について、「食糧需給表」と「日本人の栄養所要量」・「地産地消」にもとづく試算を報告しました。

 夜の部ではパネルディスカッション方式で、農村解体と都市の貧困の現状について、あるいは、有機リン系農薬汚染について報告がありました。また、ウガンダの難民キャンプにおいて有機家庭菜園が行われているという明るい話題もありました。不景気で暗い話題が多い昨今ですが、有機農業は明るい未来を指し示すということを確認し、「もう一つの世界食料デー アピール」を採択し、長時間にわたった集会は閉会しました。

 

● 種苗ネットワークの新規事業 有機農業推進種苗普及事業の試行的実施について   ・・・・ 林 重孝

 

 有機農業においては有機に適した種子を使うことが望ましいですが、現状ではそうした種子を入手するのはなかなか難しい状況です。そこで、種苗ネットワークでは「有機農業推進種苗普及事業」を試行的に実施し、有機農業運動に於ける有機種子の普及・種子の自給活動の一環として、「元種」の普及を続けると共に、直接生産に供する量の種子供給を始めることにしました。

詳しいことについては、本会のホームページをご覧くださるか、本会種苗部事務局までお問い合せください。

 

・ 今回頒布する種について

 

 栃木県那須烏山市の那須丘陵で有機農業を営んでいる戸松正さんが数年間の試作を経て、さらにその間に他の有機農家での試作も経てできた、魂のこもった種子を提供いたします。また、魚住道朗さん、林重孝さんからも種子を提供いたします。

 

● 春夏用種苗をおわけします   ・・・・ 種苗ネットワーク事務局・種苗部

 

 自家採種している方から種苗部に提供いただいた種子の一部(冷凍保存を含む)などを、種苗ネットワークの利用登録者にお分けします。

 

● 種から育てよう 64 マイクロトマト(補足)   ・・・・ 小泉 邦夫

 

 「土と健康」2008年11月号の本欄63で紹介した「マイクロトマト」の中で、種の由来について「品名・ルーツとも不明」と述べましたが、この品種名は「マッツワイルドチェリー」であることが判明しました。

 

● BOOK 『いま、日本の米に何が起きているのか』山本博史、阿部淳也、舘野廣幸、牧下圭貴、渡邊吉樹   ・・・・ 久保田裕子

 

 まさに、米について知りたいことが、簡潔に書かれている。 >> 詳しく

 

● 熱き心くん!   ・・・・ 三浦 千世

 

 私が農業に興味を持ちだしたのは、おばあちゃんの小さな家庭菜園がきっかけでした。6歳からおばあちゃんと離れ都市部に引っ越しましたが、幼い頃の思い出、土いじりの楽しさは農業への興味につながり、高校は農業学科へ進学し、2008年3月に島根大学生物資源学部を卒業しました。在学中の2年間大学を休学し、単身ドイツへ有機農業留学しました。

7つの有機農家さんで住み込み仕事をする生活のなかで一番心に残っていることは、「したいなら、すればいい。そう、自分が好きなように」と、周りの友人がよく言ってくれたことです。

 

● 国際有機農業映画祭2008 レポート

「観客」から脱皮する映画祭   ・・・・ 上垣 善寛

 

「新設したばかりのナタデココ工場がすぐさま閉鎖した。日本の流行に乗せられた。日本人はひどい」

1999年にフィリピンで知り合った方から直接言われた一言だ。日本で起きた流行の余波がもたらす影響を、目の前で聞かされた初めての経験だった。

 

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>> 紹介0812

『土と健康』2008年12月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

落ち葉の季節はロマンチックだし、

地面に舞う枯れ葉もきれいだ。

だが、プォーンと騒がしい音が響き渡り、

火焔放射器の様なガソリン臭い風を撒き散らす道具で、

美しい落ち葉を吹き飛ばして、

一か所でまとめてゴミ集めのクルマが持って行ってしまうのが

腹立たしい。

静かな秋に無神経な音と匂い、

それに堆肥造りの大事な宝物を

プラスチック廃棄物などと焼却炉で燃やしてしまうのが、

もったいない。

「大切な落ち葉に手を出すな」と、落ち葉を守る番人を作った。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 報告 夏の日本有機農業研究会シンポジウム 2008年8月22日 於 国立オリンピック記念青少年総合センター   ・・・・ 田坂 興亜

G8を超えて 自給と「提携」、有機農業を!

自給をめざした有機農業こそが、飢えの問題解決への道

 

 この4月に国連が主催した「開発のための農業科学技術の評価」(IAASTD)の国際会議が南アフリカのヨハネスブルグであり、NGO側からPAN(国際農薬監視行動ネットワーク)の一員として参加してきました。そこでは、農業が今、転換期にきているという重要なことがいわれました。これまで、食料生産と言えば、「食料の増産」、それも「現代の科学技術を用いて」というパラダイムだったのですが、そのパラダイムを変えるべき時が来ているということです。きょうは、前半はこの会議について、日本の関わりも含めて、お話したいと思います。そして後半には、食糧問題と有機農業の役割について、私の具体的に経験した事柄を中心にして、ご紹介したいと思います。

 

● 資料1 開発のための農業科学・技術の国際評価

 

 農業は、生物多様性の喪失、地球温暖化、水資源の枯渇などを含む、我々が現在直面している様々な問題に深く関わっている。食糧の増産が遂行されてきた一方で、栄養失調や貧困が、今なお世界の多くの地域で人々の健康と生存権を脅かしている。この国際的な農業技術の評価の試みは、飢餓と貧困を減らし、農村の人々の暮らしを改善し、公正で持続可能な発展を促すために、農業に関わる知識、科学・技術をどのようにより良く用いるべきかに焦点を合わせて行なわれた。

 

● 資料2 新しい農業の時代が今日始まる!

 

 IAASTDに参加した市民社会グループによる最終報告書に対するコメント

 

● とれたて青年部14 3農園合同のお祭り   ・・・・ 井上 昌代

 

 やぎ農園(千葉)☆織座農園(長野)☆有機農園つ・む・ぎ(神奈川)の仲良し有機農園による合同収穫祭が11月29日(土)・30日(日)の2日間にわたって開催されました♪開催地は毎年順繰りで、今年は神奈川県二宮町の古民家"ふるさとの家"を舞台に、2日間ともお天気に恵まれ、3農園つながりの延べ約100人(正味74人)が集い、本当に賑やかな楽しい収穫祭となりました。

 

● 追悼 「提携」砦に有機農業を実践 大平博四さん

 

弔辞   ・・・・ 佐藤喜作

太平さんによる種苗開放   ・・・・ 武田 松男

「人生は熱と真心」を胸に   ・・・・ 渡邊 和彦

少食に未来の希望を拓らく 甲田光雄先生   ・・・・ 槌田 劭

砂漠に種をまいた人 福岡正信先生   ・・・・ 大西 道子

 

● 第37回日本有機農業研究会全国大会・総会

 

 全国有機農業の集い 新潟大会>> 詳しく 大会テーマ はばたけ、有機農業

 

● 「提携」をひろげよう

「安全な食べ物をつくって食べる会」の料理講習会訪問   ・・・・ 安藤 範親

 

 「安全な食べ物をつくって食べる会」の三多摩火曜ブロックが開催する料理講習会に参加しました。安全な食べ物をつくって食べる会は1974年2月、三芳村生産グループと「提携」する消費者組織として発足。お互いの間に中間者を置かず、信頼関係に基づく「提携」という方法で、有機農業運動を実践しており、現在首都圏一帯に約900人の会員がいます。

 

● 熱き心くん   ・・・・ 阪本孝司・瑞恵

 

 座右の銘の一つに、宮沢賢治の農民芸術概論綱要に載っている「世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」という言葉があります。基本的にその精神を目指して生きています。

 高校生の頃、SEEDという漫画に出会い、砂漢緑化や国際協力がしたいと思い、東京農業大学の開発学科に入学。その後、いろんな人や本との出会い、そしてNGOが主催しているワークキャンプの参加を通じ、途上国の生活に触れることなどから、外側(開発途上国)を解決するよりも、内側(先進国)を解決する方がより効果的で大事なのではないかと気づきました。さらに、農業の楽しさや素晴しさ、日本の農業の抱える問題など、さまざまなきっかけから将来は農に携る仕事に就きたいと考えていました。卒業後一度は社会に出たものの、箱の中で働く仕事が性分に合わず、農業研修の道へ。

 

● BOOK『畑がついているエコアパートをつくろう』平田裕之/山田貴宏   ・・・・ 笠原 眞弓

 

 一冊に詰まる住まい方の哲学 >> 詳しく

 

● 2008年『土と健康』総目次

 

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>> 紹介0811

『土と健康』2008年11月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

ぼくの庭は、どんどん雑木林化して行く。

意識的にそうしてるのだけれど、他人が見たら、

無精でこのような状態になっていると思うに違いない。

せめて木にからみついているヤマイモやヘクソカヅラなどのツルを、

丁寧にほどいて取り除いてやった。

このツルたちは結構強い、このツルたちを大量に集めて、

流木や草の穂を縛ってオブジェ作っている。

2009年、新潟県十日町市「絵本と木の実美術館」では、

ツルで縛られたオブジェたちが、動き廻る事になる。

我が家の猫は、突然登場した新入りに警戒している。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 放射線を食品に照射!? 問題を知らせ、「照射食品反対!」の声をあげよう!

 

 内閣府の原子力委員会と全日本スパイス協会は、野菜を含むスパイス94種類への放射線照射を認めるよう厚生労働省に働きかけてきました。

 厚生労働省は民間の三菱総合研究所(以下、三菱総研)に約3千万円を払って資料を集めさせていたのですが、ようやく最近報告書ができ上がったようです。ところが、照射食品に反対する消費者の意見が報告書には記載されていないのです。厚生労働省は三菱総研の報告書を基に薬事食品衛生審議会に諮るようです。 消費者団体は、厚生労働省と審議会に反対の申し入れをしましたが、照射食品が許可されるか、されないかの瀬戸際になりました。ぜひ皆さんも反対の声をあげてください。そして照射食品反対連絡会の運動に参加してください。

 

● 青年部主催 2008年夏の有機農業見学会in愛知 8月30~31日 農業の奥深さを実感!充実の2日間   ・・・・ 深谷 峰子

 

 小川友則さんのお話し、福津農園の見学、SANAE&TSUTOMU 有機ENの見学

 

● 参加者の感想

 

 やる気を起こさせる見学会   ・・・・ 粂井 礼子

 農業に魅せられて   ・・・・ 嶌田 直幸

● 佐藤喜作のキサクな話『飛力』   ・・・・ 佐藤 喜作

 

● 9・24農水省追及緊急集会 報告

汚染米事件を問う 元凶は、WTO下のMA(ミニマム・アクセス)米   ・・・・ 安田 節子

 

 農水省は事前に通知した質問要請17項目への回答文書は持参せず、資料データを含め口頭で回答した。国民にまじめに説明する気があるのかと冒頭から私たちに強い不信感を抱かせた。

 なお、10月1日の東京新聞によると、汚染米発覚後の9月12日、自民党が農水省に対し、野党からの資料請求に対し、自民党の検閲を指示していたことが内部文章で露見した、国政調査権の妨害は憲法違反であり、自民党、末期のあがきか。私たちの集会に対しての扱いはこれによるものか、それとも農水省のサボタージュか。いずれにしても再度資料について文書の提出を求めた。これに関連して110月7日には近藤正道議員同席のもと、辻万千子(反農薬東京グループ)、牧下圭貴(GMイネ監視センター)、安田節子で農水省のヒアリングを行った。現時点までに提出された資料、および農水省とのやりとりで明らかになったポイントと当方の見解を本誌にまとめました。

 

● 種から育てよう 63 マイクロトマト   ・・・・ 小泉 邦夫

 

 作りやすく、果実の直径が16~19ミリ、重さ2~3グラムの小粒のトマトで、7~15粒の果房がたくさん採れます。甘くて、大玉トマトに負けないおいしさです。殊にお子さんたちには大人気です。種の由来は、06年初め、茨城県有機農業見学会の種苗交換会で「(仮称)ミニミニトマト、品名、ルーツともに不明」として出品された種子を譲り受けました。それ以来、自分の畑(露地)での栽培と自家採取を続けています。「マイクロトマト」と名付けて各地の種苗交換会にも出品し、お薦めしています。

 

● 熱き心くん   ・・・・ 北原 六地

 

 私と妻の佳代の出身地はそれぞれ、長野と東京。3歳になる長男の八起(やおき)は栃木の生まれ。関東から、突然縁もゆかりもないこの土地に移り住んで、11月でちょうど1年になる。農業がしたい、海の近い温暖な土地に暮らしたい、そんな想いを果たすために、鹿児島の離島や瀬戸内を家族3人で旅したのが、2007年の3月~5月。

 車に家財道具一式を積んで、車上生活を楽しみながら、移住地探しの旅を続けた。そして、そして、流れ流れてたどり着いたのがここ、広島県三原市高坂町馬井谷地区。全26戸の小さな集落にある唯一の空き家を借り受け、07年11月に百姓暮らしをスタートさせた。

 3歳になる長男は、この地域では唯一の子供。当初から、「馬井谷に子供がやってきた!」と地域の人は皆、喜んでくれた。それもそのはず、ここで最後に子供が誕生したのは今から25年も前の話。典型的な「限界集落」といわれるこの土地では、誰もが若者の移住を歓迎してくれた。そして、さらに今年9月には、長女の四葉(よつば)が誕生し、ますます村人の喜びと期待は高まっている。

 

● とれたて青年部13 綿の収穫   ・・・・ 池田 晶一

 

● 郷土料理の交流会   ・・・・ 岸川 しずか

 

 10月19日(日)、熊本市熊本女性センターにおいて、日本有機農業研究会生活部主催の「料理交流会 熊本と、長崎の郷士料理」が開催されました。

 熊本の代表的な郷土料理である「だご汁」と、長崎チャンポンと並んで有名な「皿うどん」をお互いに教えあいながら、ともに調理し、交流を深めようというのがねらいです。熊本は「はこべ会」、長崎からは私たち「土と文化の会」がそれぞれの料理を披露しました。

 

● BOOK『有機農業をはじめました!・88人の実践』日本有機農業研究会編   ・・・・ 増田 裕子

 

 就農までの経緯、就農時と現在の経営規模、販売の仕方などわかりやすくまとめられています。 >> 詳しく

 

● 会費納入のお知らせとお願い

 

● 鯉淵学園農業栄養専門学校 社会人研修コースのご案内 作物栽培部門

 

 >> 詳しく

 

● JICAによる有機農業技術普及のための教材開発について   ・・・・ 藤城 一雄

 

技術協力コンテンツ「小規模農民グループ支援のための有機農業技術普及」一式 以下のHP(JICA-Netホームページ:http://www.jica-net.com/)よりダウンロード可能。

 

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>> 紹介0810

『土と健康』2008年10月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

伊豆の海辺で拾った流木を、越後まで連れて行って

撮影しました。

8月に、新潟県十日町市の旧真田小学校の体育館に、

カボチャ700個ぶら下げたことは、

本文20~21ページの妻の報告に詳しいが、

「なぜカボチャなのか?」と問われたら、

「農産物(荒縄を含めて)の美しさをアピールしたかった」と

答えます。

廃校になった小学校を蘇らせるため

高邁な芸術より、生活と繋がったアートだと思いました。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● GMナタネ自生調査全国報告集会in名古屋から 輸入GMナタネから国内自生

種子の遺伝子汚染を許すな!   ・・・・ 石川 豊久

 

 日本全国でナタネを輸入している主な港は10か所あり、そのすべてを調査することなど、とても中部の会などのローカルな組織の手に負えるものではありません。そこで始められたのが市民団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」の呼びかけによる全国調査でした。これはナタネの輸入港ばかりでなく、日本全国の消費者団体がその活動地域内のナタネ調査を行うという大規模な試みです。 GM汚染が起こっていることがわかっている地域のみならず、あらゆる可能性を考慮すれば、このような広範囲での監視活動は大きな意義をもっています。全国調査は今年ですでに4回目。その結果を全国報告集会に持ち寄り、発表することで社会的にもアピール度の高いものになっています。

 

● 第36回日本有機農業研究会全国大会・シンポジウム「どうする食と農の自給・自立」から

世界の食料自給を視野に 「同時作」という概念   ・・・・ 古野 隆雄

 

 「井戸を掘る」=農業の技術をつくる、「伝統的アヒル水田放飼農法」と「同時作」の違い、「輪作」と「同時作」は相補的な関係、田んぼの生産力が上がる「輪作」と「同時作」の統合、効率化や省力技術も大切、有機で直播きに挑戦

 

● 落ち葉や雑草、生ごみでできる温暖化対策

ひろげよう!堆肥わくわく運動   ・・・・ 堀合知子/魚住道郎

 

 「堆肥わくわく運動」とは、昔ながらの堆肥づくり用の「堆肥框(たいひわく)」を活用して、過程から出る生ごみを落ち葉や雑草と混ぜて堆肥化することで、温暖化防止キャンペーンを市民自らの手で進めるものです。

 

● とれたて青年部12 出版記念パーティに乞うご期待   ・・・・ 佐久間 清和

 

 先月号でご案内しましたアンケートをまとめた本「有機農業を始めました!88人の実践」の原稿の最終チェックが終わり、印刷、仕上がりを待つばかりとなりました。冬に出版記念パーティを予定しております。

 

● 農の技セミナー2008・7・7報告 日本有機農業研究会生産部

カリフォルニア・有機農業 技術研究ネットワークの成果   ・・・・ 村本 穣司

 

アメリカの西海岸、サンタクルーズ郡では、2005年に全野菜・イチゴ作付面積に占める有機の割合が15%に達した。この地域では、2004年からアメリカ農務省の有機農業研究プログラムの一環として「有機農業技術研究ネットワーク」づくりが始まっている。その背景や活動のようすを村本穣司さんに紹介していただいた。

 

● 農の技談義3 えんどうとそら豆   ・・・・ 林重孝×武田松男

 

春先、やわらかい莢(さや)を食べる「絹さや」、洋風炒め物に似合うスナップえんどう、グリーンピース、うぐいす豆。蒔きどきは、えんどうは11月上旬から12月初旬で、そら豆は10月末(関東)。

 

● ひろば かぼちゃアートはすごい   ・・・・ 田島 喜代恵

 

 700個で創る"かぼちゃアート"。エッ?かぼちゃ?そうです、今が旬の、うまいうまい生のかぼちゃのアートです。2008年の8月1日~31日の1か月間、新潟県十日町市の山また山奥のすり鉢底のような地形にある旧真田小学校ぜーんぶが、田島征三の作品展示館になりました。

 この小学校は2005年、3人(男生徒2人、女生徒1人)のこどもたちの卒業も待たず廃校にされてしまったものです。築70年近く、地元の山々で育った樹木で建てられた校舎です。

 さて、そのかぼちゃアートは、校舎につながる体育館に展示されました。体育館も木づくりです。力強く、また、美しく組み合わされたみごとな合掌づくりの梁に、700個の生のかぼちゃが高く低く吊るされました。

 

● 熱き心くん   ・・・・ 太田 茂樹

 

 私たち家族が住む丸森町筆甫(ひっぽ)地区は宮城県の南端に位置し、福島県と接している。町の中心部から10キロほど山奥へ入っていくいわゆる「どん詰まり」の集落である。しかしその渓流沿いを走る道は広葉樹に覆われ「緑のトンネル」と呼ばれて四季折々の風景を楽しませてくれる。

 

● BOOK『生命と食』福岡伸一著   ・・・・ 渡部 朝香

 

 『生命と食』は、今年3月2日、東京で開催された第36回日本有機農業研究会全国大会での福岡伸一先生の記念講演をもとにした一冊です。

 とはいえ、大会で語られなかったトピックも多々加筆していただきましたので、講演とは一味違う、福岡先生の食をめぐる思考のエッセンスが凝縮された本になったと自負しています。 >> 詳しく

 

● BOOK『食大乱の時代』大野和興・西沢江美子著   ・・・・ 大野 和興

 

 中国からのギョーザに農薬が入っていたと大騒ぎしていたら、そこに食料危機なるものが津波のようにおしよせてきて、世界中を飲み込んだ。せきたてられるように、本書の執筆を急いだ。長年農と食をめぐる問題を見つづけ、現場で当事者の方々と動いてきたものとして、わたしたちはいま表面にあらわれているあれこれの根っこで何が起こっているのか、それはどういう意味を持っているのかを明らかにしたいと考えた。 >> 詳しく

 

● BOOK『人生八十三年の回顧』宮下久吉著

 

 1984年から92年まで日本有機農業研究会常任幹事を務めた。本書はその思い出や折々に執筆した旅行記、関連資料などをとりまとめて綴った自分史である。

 

● 各地から

 

 北陸 3400人の町に500人!   ・・・・ 伊藤 洋子

 北陸 アフリ力青年がやってきた   ・・・・ 玉井 道敏

 東北 地球畑カフェ「草原をわたる船」   ・・・・ 大和田 清香

 

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>> 紹介0808

『土と健康』2008年8・9月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 8月は神奈川県平塚市立美術館で展覧会を開いています。

 流木の作品はこの展覧会の出品作品中最大のモクレン3万本によるコラージュ作品の前で撮る事にしました。

 自分の作品同士のコラボレーションです。

 この流木作品は、出品作品ではなかったのに、

 陳列作業の方が間違えて飾ってしまいました。

 だから、この作品は、8月31日まで平塚市立美術館に住んでいます。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● いま、なぜあらためて<提携>なのか

「生産者と消費者が直結すること」の輝きを取り戻そう   ・・・・ 桝潟 俊子

 

 私は、草創期の有機農業運動に出会い、多くのことを学ばせていただきながら、この30年余、<有機農業>の世界と深く関わってきました。私が有機農業研究に取り組むようになったきっかけは、「消費者自給農場」の建設を始めたばかりの「(旧)たまごの会」の取材でした。<有機農業>の世界がもつ問題の広がりと奥深さにふれ、私の問題関心や研究姿勢は大きく揺さぶられたばかりでなく、社会の見方(農と食をめぐる「リスク」認識)も大きな変革を迫られました。この3月、私の有機農業研究の一つの区切りとして、『有機農業運動と<提携>のネットワーク』(新曜社)をまとめました。

 40年近くに及ぶ日本の有機農業運動とその地域的展開の過程をたどるという作業をとおして、私が強く感じたことは、有機農業運動がもつ大きな<変革力>でした。有機農業運動は、近代産業社会を支えているシステム(制度)やライフスタイル(たとえば近代農業、資本主義、ネオリベラリズム、使い捨て文明、都市的ライフスタイルなど)に対抗して、オルターナティブな新しい世界の方向性を提示しつつ、<農>と<食>の変革をめざす運動でした。

 

● 第36回日本有機農業研究会全国大会・シンポジウムから

三芳との提携35年   ・・・・ 若島 礼子

 

 第36回日本有機農業研究会全国大会(2008年3月1日~2日)では、大会テーマ「つながるいのち・つなげるいのち」の下、第1日目に「どうする? 食と農の自給・自立」をテーマにパネル・ディスカッションを開きました。コーディネーター安田節子理事により有機農業生産者、消費者など6人がそれぞれの立場から発言し、それは、その日の大会アピール「つながるいのち・つなげるいのち 食と農の 原点 有機農業から未来へ」(本誌4・5月号に掲載)につながりました。一人ひとりの自給を基礎に、自給率を高めることが急務。そのためには、「提携」という方法があることを知らせ、自らの食のあり方を見直し、同時に、自らの暮らしや農業を地球温暖化など環境問題を少しでも解決へと導く方向である有機農業への理解を広めようと、呼びかけました。本号では、特に「提携」についての話題提供をした若島礼子さんに当日のお話に加筆していただきました。

 

● フランスで「提携」をやってみた

フランスの提携産直第一号「ひろこのバスケット」   ・・・・ 雨宮 裕子

 

 農民が、消えていく。借金をして機械化するか、あきらめてやめるか。フランスの農民も、ぎりぎりの選択を迫られるところまできてしまった。

 そこに登場したのが、AMAP(アマップ、Associations pourle Maintien d'une Agriculture Paysanne「家族経営の農業を守る会」の略称)と呼ばれる、農産物の産直システムだ。日本の提携とアメリカのCSAをモデルに、南フランスのオーバーニュで2001年5月に発足。以来8年、アマップの数は、フランス全土で、500~700ぐらいと言われている。

 アマップは、小規模な家族経営の農業を維持していきたいという農家が、消費者の理解と支援を願う契約販売システムだ。「提携十か条」にならって、十八項目の規約ができている。だから、テイケイという言葉もよく耳にする。でも、なんと誤解に満ちていることか。たとえば、『もう一つの経済』という、市民運動関係の雑誌(7月号)には、「テイケイは1600万人の人たちが加入している日本の消費者組合」と書かれている。

 

● とれたて青年部11 アンケート集と現地見学会   ・・・・ 今井 優子

 

 6月号の本欄でご報告しましたように、現在、青年部では『新規就農アンケート集』(仮称)を作成しています。

 青年部長の佐久間清和さん(千葉県香取郡)は、「現在編集中のこのアンケート集は、日本有機農業研究会そして青年部のネットワークを使って、全国各地の多くの新規就農者に回答してもらいました。ほかでは手に入らない貴重な情報が満載です。この本がきっかけで農業に興味をもつようになったり、農業をやりたいという気持ちになったりしてもらえたら嬉しいです」と話していました。

 アンケート集は、近々完成予定です。乞うご期待!

 

● 「提携」の指針『提携10か条』について 生産者と消費者の提携の方法(提携10か条)

 

● 「提携」と有機JAS表示

「提携」における「有機」に関する情報提供の範囲について   ・・・・ 提携と基準部

 

● 報告 URGENCIとIFOAM世界大会   ・・・・ 橋本 慎司

 

 6月14日から24日まで、イタリアで国際提携運動ネットワーク(URGENCI)の運営委員会と国際有機農業運動連盟(IFOAM)の世界大会が開催され、出席してきた。6月は玉葱、インゲン、ニラの収穫や果菜類の追肥・除草、合鴨水田の管理と忙しいのだが、研修生の谷水くんと妻に任せて出発した。6月上旬には兵庫県が取り組んでいる中学生の職場体験があり、12人の中学生が一週間、畑の手伝いに来てくれ、これも大変助かった。URGENCIの運営委員会はミラノの郊外で開催され、その後IFOAM世界大会の開催地、モデナ市に移動した。

 

● 佐藤喜作のキサクな話 『粉食と粒食 日本とメタボリック・シンドローム』   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 かつての日本では、布袋様のようなお腹の膨れた肥満者を見いだすのに苦労したものだが、最近はやたらとお目にかかる。一見恰幅も良いし強そうにも映り、私のような骨皮筋右衛門にとっては、憧れの対象であった。

 ところが、最近はこの肥満傾向が、近代病の前触れとして、毎年の健康診断の重要な項目に浮上している。一方女性の方は、美容上からか、いかに痩せるかと、それはもう涙ぐましい努力で、ついには拒食に至る者まである。

 

● 市民農園の現状 -東京都多摩市の場合-   ・・・・ 宮下 久吉

 

● 熱き心くん!   ・・・・ 片岡 俊也

 

 バランスとって農業している。体を完全にパーにせず年2、3回ダウン程度で。家族生活の時間、自分がたのしむ時間を毎日つくる。生活パターンもごくワンパターン。畑、家、配達、公民館、小学校、まちぐわぁ(売店)、農協と村内、もしくは山原内(名護以北)。

 特別たのしくも、特別くるしくも、特別よろこびも、特別かなしみもなく、ほどほどに。畑から習った「あきらめ」の中、農業に情熱なく、もくもくとすごす。

 その中でもたのしみは、食事と水分補給、おやつ。酒も飲まなくなり6ヵ月。酒づきあい友人減る。子どもが小学校1年なので、PTA、子ども会つきあい少々。12年前に来たころは、周囲の農家には、うさんくさく思われ、そでにされていた。最近は、同種族にみてもらい仲よしである。

 

● 農の技談義2 大根と玉ねぎ   ・・・・ 林重孝×武田松男

 

 関東地方で9月初旬に播く代表的な野菜は、大根と玉ねぎ。大根は冷涼な気候を好むので、温暖化による影響で、播く時期を以前より遅くするとよくできる。玉ねぎも「苗半作」。移植法でつくってみよう。

 

● BOOK『有機農業運動と<提携>のネットワーク』桝潟俊子著   ・・・・ 大江 正章

 

 有機農業という言葉はいまや一般にかなり浸透したが、その本質的な意義や40年近くに及ぶ日本の有機農業運動について広く知られているとは言いがたい。本書は提携という言葉をキーワードに、現在に至るまでの有機農業運動の流れとその社会的・歴史的意義を整理した、きわめて質の高い作品である。 >> 詳しく

 

● 健康の秘密は口腔にあり フォーラム 歯周病 病巣感染を考える

『虫歯から始まる全身の病気』出版記念   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 歯科関係者が中心に結成されたNPO法人恒志会主催で、標記のフォーラムが7月20日、日本歯科大学富士見ホール8Fで開催された。忠臣蔵に弁慶のようであるが、素人ながら、出席して大変に勉強になった。そして感動した。

 

● 11月16日は国際有機農業映画祭 テーマ「土からの平和」 >> 詳しく

 

● 『バイオダイナミック農法』宿泊研修会を開催 >> 詳しく

 

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>> 紹介0807

『土と健康』2008年7月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 子どものころから、植物を植え、育てるのが好きだった。

 5歳の春、竹藪を開墾して、落花生を作ったりしていた。

 といってもハガキ80枚ほどの畑とも呼べない

 極く小さな場所だった。

 今の庭は5年目。やっとハガキ300枚に拡大した。

 真っ黒な腐葉土にミミズが何匹も住んでいる。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 発生から40年、カネミ油症の苦しみは今も続く   ・・・・ 鎌田 玲子

カネミ油症はPCB・ダイオキシン類による人体の構造脂質汚染

 

 今から40年前(1968年)、西日本一帯に、日本最大級の食品中毒事件が起きました。カネミ倉庫(北九州)製造の米ぬか油(カネミライスオイル)の製造過程で脱臭の熱媒体に使っていたPCBが油中に漏れ、そのまま販売された事件です。

 知らずに買って食した人々は奇病といわれる、クロルアクネ(塩化ニキビ)、手足のしびれ、眼脂、脱毛、歯の折れ、皮膚、爪の黒化などの症状が続き、1万4千人の被害届出があったとされています。しかし、事件発生時に発足した全国油症研究班(九大に設置)や行政機関により認定された被害者は、現在に及び2千人に至らない状況です。その上、当初、原因はPCBとされましたが、その後の分析により油中に漏れ出したPCBは熱変性によりPCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン<ダイオキシン類>)が生成されていたことが解り、カネミ油症被害の主原因は、猛毒とされるダイオキシン類であることが判明しました。

 カネミ油症事件は、現地でも過去の事件と思われていますが、企業と行政が責任を矮小化してきたからで、過去の事件ではありません。40年を経た今も被害者は重篤な症状が続き、次世代が機能障害で生まれていることからも、国民は未来に続く被害の実態を知ることが重要です。

 

● 第36回日本有機農業研究会全国大会 報告   ・・・・ 福岡 伸一

記念講演 生命とは何か? 食べ続けることの意味と有機農業(下)

 

 狂牛病は人災の連鎖

 草食動物を肉食動物に変えた「肉骨粉」

 5年という狂牛病の潜伏期の長さが感染を拡大

 「第2の人災」をつくった原油価格の値上がり

 イギリスが人への感染を認めても、何もしなかった日本

 非常に危険な米国産牛肉問題の政治的決着

 なぜイギリスから世界へ飛び火したか?

 日本は世界的にも稀に見る厳しい狂牛病検査を実施

 決定的に間違っている「ふぐ毒理論」

 原因究明のカギはトレーサビリティの確立

 まったくお粗末な米国の狂牛病検査体制

 非常に危うい「リスク論」

 一見、正論に聞こえる「選択の自由論」

 プロセスを見せている人に委ねるしかない「安全な食」

 -質疑応答

 

● 秋捲き種子をお分けします(別表2008年秋期頒布種子)   ・・・・ 種苗部

 

● 種から育てよう 62 長崎唐人菜(長崎ハクサイ)   ・・・・ 岩崎 政利

 

 長崎唐人菜(別名長崎ハクサイ)は、長崎市の近郊に秋から冬にかけて盛んに栽培されていました。日本の食の遺産としてスローフード協会で「味の箱舟」に認定され、守り続ける意味が大きくなってきています。

 

● ★新連載★農の技 談義1 人参栽培 3つの基本   ・・・・ 林重孝×武田松男

 

● とれたて青年部10 糸を紡ぐこと   ・・・・ 池田 晶一

 

 都内で会社勤めの青年部一員です。今年はなんとか畑の都合をつけることができて、和綿と茶綿を播きました。もちろん野菜も。綿の生育状況は芳しくなく、茶綿はほぼ問題ないのですが、和綿の半分くらい何者かに芽を食べられてしまいました。

 

● 畑の雑草の一年 林重孝さん(千葉県佐倉市)の畑で   ・・・・ 村田 威夫

 

 雑草は農耕地、牧草地、庭園など人が一定の管理をする土地に目的以外の植物が入り込んだものをいう。農耕地に見られる雑草は特に耕地雑草と呼ばれ、人間生活の周りに生育している雑草(人里植物ともいう)と区別される。耕地は、耕耘、施肥、作付け、収穫などの農作業が繰り返し行われ、雑草はこのような環境で作物と関連して生活している。

 雑草についての研究は主に作物の収量を上げるために、如何にしたら耕地雑草を少なくするかを目的に行われてきた。今回は日本有機農業研究会種苗部担当理事の林重孝さんの畑にどんな雑草が見られるかを、作物との関連から記録する機会を得たので、ここに報告する。

 

● 佐藤喜作のキサクな話 スイカ1個が50a分の米代   ・・・・ 佐藤 喜作

 

● BOOK『日本の有機農法』涌井義郎、舘野廣幸(有機稲作)著

   ・・・・ 今井 優子

 

 これまで農業初心者に対する有機農業の入門書というものは、あるようでなかった。『解説 日本の有機農法』は、茨城県水戸市にある鯉淵学園農業栄養専門学校で教鞭をとっている涌井義郎さんが、「学生のために有機農業技術の全体像を分かりやすく説明した『有機農法の解説書』がほしい」という思いから執筆した本である。 >> 詳しく

 

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■ 日本有機農業研究会の会員には、『土と健康』を毎号お送りします。ぜひ、ご入会ください。


>> 紹介0806

『土と健康』2008年6月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 いま ぼくが住んでいる伊豆高原の森は

 開発の嵐が吹き荒れている

 この一画にコゴミの群生地がある。

 他にこのような場所はない。

 もし ここが開発されたら大変。

 開発業者は一網打尽に植物を削り取り、

 根絶やしにしてしまうだろう。

 できるだけ多くの株を

 当分開発される可能性のない森に移すことにした。

 その時刈り取ったコゴミの葉っぱの上で、

 キバを剥いて、開発業者を睨みつけている

 モンスターくんです。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 第36回日本有機農業研究会全国大会 報告   ・・・・ 福岡 伸一

記念講演 生命とは何か? 食べ続けることの意味と有機農業(上)

 

 気づきの体験を語りなおした『生物と無生物のあいだ』

 テーマは機械論的な生命観へのアンチテーゼ

 食べたものは一体どこへ行くのか?

 生命は絶え間のない流れの中にある

 エントロピー増大の法則に対抗して自転車操業

 「ES細胞」と「ガン細胞」はコインの裏表

 生命というものに「部分」はない

● 第36回日本有機農業研究会全国大会 夜の分科会報告

 

○ 平和って何だろう -有機の暮らしから考える- 座長 八木直樹さん   ・・・・ 増田 裕子

 日本有機農業研究会が全国大会で「平和」についての分科会を始めてから3年がたちました。今年のこの分科会には20名弱の人が集まり、イスを丸く並べなおして、参加した人たち全員の顔が見えるような形で「平和」について語り合いました。

 千葉県の南房総市で有機農業を営む八木直樹さんが進行役で、ほかに提携の消費者の方、古くからの会員の方、生産者の方、海外から参加した方などいろいろな立場の方がおり、また20代の若者の参加が多かったことが印象的でした。最終的にはほとんどの方が発言したと思います。

 

○ 「食」と「農」について語ろう 座長 八尋幸隆さん   ・・・・ 相馬 直美

 「『食』と『農』を語ろう」の分科会には、北は北海道、南は九州まで全国から生産者、消費者、教育者など多様な方々28名が参加した。分科会は参加者の自己紹介とともに、それぞれの「食」と「農」の取組みと想いを話しました。

 

○ 有機農業推進法に向けての動き 座長 相原成行さん   ・・・・ 堀合 知子

 「有機農業推進法に向けての動き」の分科会には約30名が参加し、農業者20名、消費者9名、自治体職員1名という顔ぶれで行われた。議論の内容は、有機農業推進法制定や基本方針の策定を受け、各地の取り組みや行政の動向についての報告が相次いだ。

 冒頭に座長の相原成行さんが、有機農業推進法はこれまでの農業関連の法と違い、農業者だけに留まらず、消費者と共に有機農業を推進しようという姿勢の法律であり、有機農業本来の意義をしっかりと把握し、農業者と消費者お互いが有機農業の推進に関わっていくには、この法律をどう活かせばよいのかを考えてゆきたいと挨拶した。

 

○ 「農薬 その光と影」上映会 座長 関塚学さん   ・・・・ 関塚 学

 今回の上映会では、この映画のディレクターである河合樹香さん、農薬の科学に大変詳しい田坂興亜さんに特別ゲストとして参加していただき、30名を超える方の参加がありました。

 

● 佐藤喜作のキサクな話 いまどき幸福な国デンマーク   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 畏友ケンジ・ステファン・スズキ氏が2冊目のデンマークの本『なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることにせいこうしたのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか』を出版した。この国の驚くべき姿を日本人は不思議に感じるに違いない。納める税金が40~50%、それに消費税が20%にもなるのに、不平を漏らす国民はいない。なぜなら、医療費、教育費は無料。無資源なのに食料、エネルギー自給率100%以上である。デンマークは、暮らしに不安のない理想的福祉国家なのである。だが、今日の福祉国家は決して思いつきで出来上がったものではない。

 

● 青年部主催 有機農業入門講座 2008 就農の実際   ・・・・ 清水 彰浩

 

パネラー 松井眞一(栃木県茂木町)就農5年目 横田淳平(静岡県南伊豆町)就農5年目 増田達矢(神奈川県津久井郡)就農7年目 司会 関塚学(栃木県佐野市)就農7年目

 

● ひろば ドキュメンタリー映画『空想の森』が生まれた

 

○ 「何でもない日常が妙に愛おしい 北海道・新得で暮らす人たちの物語   ・・・・ 田代 陽子

 私が暮らす北海道十勝で、農業を営む二組の夫婦の日常を撮らせてもらいました。土の上で働く姿、手の動き、ほっこりとした畑の土のなんて美しいこと。そして、丁寧に心を込めて食べ物が作られている現場に私も身を置き、その人たちの魅力ある世界に引き込まれていきました。

 農のある日々の暮らし、人々のつながり、年に一度のお祭りなど、それは「世のなか捨てたもんじゃない」と思わせるものでした。振り返ると、これらのことが映画をつくりたいと思う原動力となり、私の場合は、画をつなぎ合わせることで、その感覚をしっくりと表現できると感じたのだと思います。

 

○ 自然に添って生きる-「空想の森」に棲む人々   ・・・・ 加藤 佳子

 映画「空想の森」は、監督 田代陽子が北海道十勝平野の北西、新得町の空想の森映画祭で出会った人たちを主人公に、その土地で小規模でも有機無農薬農業を丹念に営む人たちの一年を綴ったドキュメンタリー。撮影を始めて7年という長い期間をかけ、膨大な映像をまとめたものが彼女の初の作品となった。

 

● とれたて青年部9 新規就農者アンケートにご協力を ★本を発行します   ・・・・ 増田 裕子

 

 現在、青年部では、新規就農者の方を対象にしたアンケート集を作成しています。就農までの道のりや、就農後の苦労話、具体的な資金づくりの話や機械に関する話、そして今後の展望など、これから有機農業をはじめたい!という方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。

 

● 熱き心くん   ・・・・ 谷川 拓也

 

 生まれ育った土地で、初めての田植えが無事に終わりました。今、田んぼでは蛙がゲコゲコとうれしそうに鳴いています。もともと僕の実家は、自家用のお米や野菜を作る程度でしたが、この春から近所の田畑を新たに借りて、百姓としての生活を始めました。まだ、かけだしです。近所の有機農家さんのところで教えを受けたり、おじいやおばあの話を聞きながら、田6反6畝、畑8畝を耕しています。

 

● 種から育てよう 61 会津春菊   ・・・・ 小川 光

 

 9月播き冬採りハウス栽培で、1977年から毎年選抜を繰り返してきました。できた春菊は切れ込みは深いが粗く、厚みがあり緑が濃くて葉が長い。「これでも無肥料?」と驚くほど豊かな葉の春菊です。

 

● 各地から

 

 中国 NHKが有機農業講座「わたしの有機農園」を開講   ・・・・ 山本 宗明

 

● 科学部からのお知らせ   ・・・・ 科学部

 

 科学部サイト開設のご案内 科学部は、このほど独自のホームページを開設しました。科学部主催のイベントや出版物、お知らせしたいことなどをまとめてあります。今後、資料やお役立ちリンクも充実させていきたいと考えています。ぜひ一度ご覧ください。 http://kagakubu.net/

 

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ17「抹茶シフォンケーキ」   ・・・・ 平塚 靖永

 

● BOOK『地域の力』大江正章著   ・・・・ 多辺田 政弘

 

 やはりモノとカネのボーダレスな経済に巻き込まれた国や地域はどこでも「持続性」を見出せないという隘路(あいろ)に陥っている。そのなかで、日本各地で知恵を出し合い、自前の資源と人を生かし合って、その隘路からの脱出の試みを果敢に挑んできた人々がいる。

 本書はそれらの試みとそれを生み出した「力」は何かを探り出そうとした渾身のルポルタージュ(現地報告)である。

 本書のキーワードは「地域の共同の力」が支える「持続可能な地域社会」であり、その基底としての「農的世界」である。まさに日本の有機農業運動が40年以上をかけて切り拓いてきた理論と実践の延長線上に広がる地平である、と言って決して過言ではない。 >> 詳しく

 

● 国産ナタネの灯を消すな!緊急要請を国会へ

 

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>> 紹介0804

『土と健康』2008年4・5月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 椿の花びらの上で、二匹の生き物が出会った

 どこから来たの?

 コートダジュールの浜辺、

 去年の秋、せいぞうに拾われて伊豆に来た

 それにしては冴えないネ

 ほっといて!

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 第36回日本有機農業研究会全国大会

 つながるいのち つなげるいのち 有機農業推進法制定2年目にむけて

 

○ 第36回日本有機農業研究会全国大会参加のお礼と報告   ・・・・ 相原 成行

 有機農業推進法制定後の2年目に向け、今こそ有機農業の原点に立ち戻り、結成趣意書の意義をたどり、これまで力を入れてきた「自給」「提携」を再確認し、新たな一歩を踏み出す大会にしたいと、理事・東京の幹事等による実行委員会が立ち上がり、東京で大会が開催されました。

 そして3月1日、2日にかけて総勢480人余の方々にご参加いただき、熱く実り多き大会を開催することができましたことを心より感謝申し上げます。

 

○ 全国有機農業の集い2008 第36回日本有機農業研究会東京大会 アピール   ・・・・ 参加者一同

○ 基調講演 創立者一楽照雄と有機農業   ・・・・ 坂本 尚

 一、結成趣意書にもられた一楽思想

 1,「提携の思想」(1)日有研の独自性の根本―「提携」(2)農業は、人間の健康や民族の存亡が経済的見地に優先しなければならない 2,人類史の新しい段階の認識(1)自然と人間の敵対矛盾関係の段階へ(2)「自然と人間の調和」担い手は工業労働者ではなく、農業者・農民である(3)近代化路線に反対 3,一楽の思想形成過程(1)農民の子として(2)協同組合運動へ(3)協同組合間提携、農住都市構想の提唱 4,「有機農業」による「世直し」の運動こそ未来を拓く(1)脱商品化をめざす「提携」(2)自然のもつ「個性」

 二、「世直し」運動の根本は「食」の変革

1,豊かさの「自給運動」80年代、仁賀保町の実践例 2,「食育基本法」の有機農業運動推進にもつ意味 3,地域に根ざした食教育 4,食意識の変革

 三、帰農 地域に根ざした農へ

 

● 第36回通常総会報告08年3月2日 於日本青年館

 「自給」「提携」「有機農業」を柱に活動を進めよう   ・・・・ 日本有機農業研究会総務部

 

 一.佐藤喜作理事長の大会挨拶から 今大会は、6年前に第30回記念大会(2001年)と同じ開場で開かれました。大会冒頭の佐藤理事長の挨拶は、「この開場で、第30回記念大会が盛大に行われたことを思い出しております。あの第30回の記念大会の時から今日までわれわれの暮らしとなり、あるいは生活となり、あるいは世の中がよくなったでしょうか。どうでしょうか」と、始まりました。

 二.通常総会について 総会は、佐藤理事長の挨拶の後、議長に鶴巻義夫さんが選ばれ、5つの議案がいずれも拍手多数により承認されました。

 三.役員改選について

 四.会員の積極的なご参加を!

 

● とれたて青年部   ・・・・ 今井 優子

 

 各地に青年部をつくって交流を! 青年部は毎月1回、基本的に日有研事務所で会合を開いています。ご存知のように青年部は、春の入門講座・夏の現地見学会という催しを柱に活動しています。毎月の会合では、これらの企画を練ったり、情報交換などをしています。

 

● 中国産餃子による中毒事件と再発防止への提言   ・・・・ 田坂 興亜

 

 ・使われ続ける危険度の高い農薬

 昨年11月24日の国際有機農業映画祭に引き続き、今年の日本有機農業研究会大会分科会(3月1日)で、環境テレビトラスト日本委員会が作った「日本の公害経験(5)農薬 その光と影」という作品(DVD)が上映された。その冒頭に、現在のカンボジアでの農薬使用の状況が出てくる。今回の餃子中毒事件で「脚光をあびた」メタミドホスや、2月中旬以降に検出されたパラチオンメチルといった急性毒性が極めて高い殺虫剤で、市場でも大量に売られていた。

 ・洗っても取れないメタミドホス

 ・規制あっても守られず、禁止後も使用か

 ・食を輸入に頼り続けてよいのか

 ・各地域における持続可能な農法による食料の自給・自立が再発防止の鍵

 

● 種から育てよう 60 コタントウモロコシ   ・・・・ 斎藤 昭

 

 種の由来 この種は白老いんげん(07年12月号本欄掲載)、チヨカボチャ(08年1・2月号本欄掲載)と共に加藤さんが大事に育ててきた「在来種」です。白老町はアイヌ民族が多く住んでいる町です。昔はコタン(集落)で命の糧のひとつとしてたくさんのトウモロコシを植えていたと思います。長い期間白老町で育ってきたこのトウモロコシを、先住民として生活してきたアイヌ民族に思いをはせ、コタントウモロコシと呼ぶことにしました。

 

● ひろば 東ティモールから「あーす農場」にやってきたジョゼとシルビーノ   ・・・・ 大森 ちえ

 

 昨年8月26日、東ティモール日本文化センター(TNCC)の招きで、暑い国、東ティモールから、ジョゼとシルビーノが、兵庫県但馬北部の山村にある「あーす農場」にやってきた!東ティモールは、現地のテトゥン語ではロロ(太陽)サエ(昇る)ティモールという。450年間ポルトガル植民地、約3年間旧日本軍に占領された歴史をもつ。2002年5月に24年間のインドネシアの占領から独立。24年の間に徐々に農薬や化学肥料、そして今、「支援」で他国から大型機械やアメリカ型の農法、農薬、F1の種、化学肥料がどんどん入ってきた。

 最初はいいけど、20年もすれば大地はガチガチになり、作物は化学肥料なしでは作れなくなる。ジョゼとシルビーノは、そのことを知っていた。

 

● 熱き心くん   ・・・・ 大谷 理伸

 

 山梨県での半年の研修生活の後、八郷の「百姓の家」での生活を1年前からスタートさせました。何も知らずに飛び込んだこの土地ですが、温かい人の繋がりがありました。今はその中で生かされているというだけですが、必死になってこの地で生きていきたいと思っています。まずは、しっかり野菜を作って売っていかなければなりません。

 

● BOOK『ここ 食卓から始まる性教育』内田美智子、佐藤剛史著

   ・・・・ 佐藤 剛史

 

 共著者である内田美智子先生(助産師)の話を初めて聞いたとき、涙が止まりませんでした。この人の話を、一人でも多くの人々に伝えなければという使命感を感じました。自分がいかに愛されて育てられたか。そして、自分の子どもをどのように愛して育てるか。そしてその愛は食卓にある。そんなメッセージが込められた本です。  有機農業に直接的に触れた本ではありません。しかし、生や子育て、家族、地域のこと。有帰農業に携わる皆様が最も大切にしている土台について書きました。多くの農家と出会い、いろんなことを教えられ、子供が田んぼで、地域で、元気に育つ姿を見て、そんなことを思い出しながら、書きました。 >> 詳しく

 

● BOOK『ほどほどに食っていける田舎暮らし術』今関知良著

   ・・・・ 今関 知良

 

 食の安全、安心がますます怪しくなり、市販の食べ物への信頼が薄れてきている今日、当会がかかげている「食の自給」はますます重要な課題になってきていると思います。家庭の、地域の、そして国の自給まで押し進めなければならないのですが、私たちにまずできることは、自家での自給と地域での自給と物々交換ではないでしょうか。自身の狭い経験だと、米、大豆、小麦、そしてそれらを使った加工品を作れるかどうかが、日本食での自給がどれほどのものかを測れる尺度ではないかと思うのです。

 実践を活字にしてみたのが、「ほどほどに食っていける田舎暮らし術」です。さらに、食べものの自給は、単なる経済行為にとどまらず、人間関係においても自然を見つめる視点においても変化を及ぼし、精神的にも非常に豊かになるということを幾多の実例をあげて紹介しています。 >> 詳しく

 

● 各地から

 

 九州 日の国九州・山口 有機農業の祭典   ・・・・ 田中 欽二

 

● 佐藤喜作のキサクな話 仙人は実在した?   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 この節、仙人などという言葉は聞くことがない。しかし幼少時代はよく聞いたし使いもした。それは一つの憧れでもあり、そんなことはあり得ないと思うだけに、なおさら憧れを募らせた。ところが仙人に該当する方とお会いして驚愕してしまった。

 

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『土と健康』2008年3月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 今年は「あったかい伊豆」に2月までに3度も雪が降った。

 でも、我が家のまわりでは、すぐ溶けてしまう。

 大室山の麓に住んでいる友人の庭では、

 まだ溶けてないというので、

 芝生の上の雪を撮らせてもらった。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 『提携』から広がる有機農業

グローバル経済に対抗するコミュニティの再生   ・・・・ 並木 芳雄

 

 2006年12月、有機農業推進法が制定されて新時代の到来を期待したが、一般の関心は拍子抜けするほど低い。ただ、話をして驚くのは、有機農業がひどく誤解されているという事実だ。「有機」というと誰もが家畜の糞尿のことだと思っている。確かにそれを田畑に投入する有機農業もあるが、有機の本来の意味は生命のことである。有機農業は近代化以前の遅れた農法ではなく、生態学を重視した「在るべき農法」をめざしている。さらに、有機農業には生産者と消費者の「提携」という理念がある。推進法では「連携」という言葉で謳われているが、その意義を明確に説くことは非常にむずかしい。だからと言って、ただ黙しているわけにはいかない。推進法は、われわれに啓発活動という義務を課したのだ。急がないと、間違った有機農業が全国いたるところに普及されるという事態になりかねない。

 

● みんなで耕そう

 

○ 市民も田んぼを耕そう   ・・・・ 和沢 秀子

 旧「たまごの会」の分身であり、最初の理念を崩さずに八郷(現在は石岡市)谷津田を耕作している人たち「八郷米の会」があります。リーダーの三角忠さんにに、自主耕作や、その意義を語っていただきました。

 

○ わたしの有機農業体験記   ・・・・ 佐藤 武美

 サークルファームを知ったのは、となりのご主人との庭さきでの会話から。当時始めたばかりの竹林ボランティアの話をしていたわたしに、「農業ボランティアに参加してみませんか」と誘ってもらったのがきっかけだった。市民農園に応募し、順番待ちしていた私は、迷うことなく参加。

 また、サークルファームでは、農業ボランティアの参加者で、さらにもう一歩踏み込んで主体的に農業をやってみたい人のために「農業塾」を開いており、現在、10数組のメンバーが参加している。わたしも、その日に入塾した。塾生は、竹林を開墾した吉原農園の畑や休耕地を借りて、塾長の吉原さんのアドバイスを受けながら、自分で有機野菜を育てている。

 

○ 「百姓の家」で有機農業体験   ・・・・ 合田 寅彦

 平成12年に立ち上げたスワラジ学園を引き継ぎ昨19年2月にスタートしたNPOスワラジのセミナーハウス「百姓の家」は、現在までのところ13名が利用し、すでに1月に1人が、また3月には1組の夫婦と男女2人が独立することになっています。

 その利用者一人ひとりを見ると、生活スタイルは実にさまざまですが、それでいて誰もが農的暮らしを求めているという心の通じ合いがあるためか、同じ屋根の下で和やかに暮らしています。個人生活の集合でありながらアパート的ではなく、さりとて学生寮のような団体生活でもありません。生活上の義務といえば、風呂たきと掃除、あとは各自自炊ですから、食材や調味料の置き場である棚で他人の領域を侵さないということくらいでしょうか。朝早くに畑に行く人がいるかと思えばその時間にアルバイトに出かける人がいるという具合で、住人のすれ違いはいくらでもあります。でも、共通の場である食堂ホールの大きなテーブルの上には、いつもノートが置いてあり、そこに思い思い自分の意見や連絡事項、読書感想などを書き込んで、互いに意思の疎通をはかっているようです。

 

○ 地域の農地の担い手としての市民   ・・・・ 相原 海

 ご存知のように耕作放棄地の増加は加速しています。私の住む足柄地域で、国が勧めるような規模の経営体が担っていける農地は、全体の1割にも満たないと考えています。そこで、残りの9割の農地は、誰が、どう担うのか、そこがこれからの課題です。昨年のシンポジウムには、それぞれまったく出身の異なる4人のパネリストが出ましたが、共通していた見解は、有機農業の普及という以前に、地域の農業が崩壊寸前であり、現状では明確な解決策を持ち合わせていないということ。手探りする中で、市民の参入を担い手の一つとして期待しているということ。その手段としては有機農業が最も人をひきつける道であるというあたりでした。

 

● 希望が見えた国際有機農業映画祭   ・・・・ 堀 純司

 

 有機農業をテーマにしたドキュメンタリー映画14本を一挙に上映した。集まった人は7割が関東近辺から。予想を超えて北は北海道から南は宮崎県にまでおよび、その数も述べ500人以上と盛況であった。今年は11月16日(日)、東京代々木のオリンピック記念青少年総合センターに決まった。詳しい内容は国際有機農業映画祭のホームページで公開する予定である。 URL:http://yuki-eiga.com/

 

● 農場だより   ・・・・ 沖津 一陽

 

 わが家は、いわゆる自然農をする専業農家です。私は以前公務員でしたが、辞めて自然農の専業農家としてもう16年になりました。家族は、私と連れ合い、そして子どもが3人です。子どもたちはまだ学生で、私と連れ合いの2人で農業をしています。

 

● 温暖化・異常気象下2007年の作柄をふり返って

 報告 農の技交流会

 

○ 「天土」(あめつち)を守る   ・・・・ 佐藤 喜作

 昔は村々で秋祭りがあり、それは神様に感謝するだけではなく、農村や村の人たちが集まって、今年の作柄、その作柄を生み出した状態をみんなで話し合いながら、来年はどうしよう、どうしたらいいだろう、こういう一つの会合があったんですが、今は粛として声も出ません。全く、死んだような村になってしまいました。有機農業の前に農そのものが滅亡してしまうのではないか、という危機感をもっています。そんな中で、今年は今までとは違った、私も経験したこともないような気象がありました。

 

○ どんな工夫をしたらいいのか   ・・・・ 大塚 一吉

 麦の収穫は6月なので、秋11月に播種します。去年(06年)は、今頃の12月にものすごい大雨が降りまして、麦は10センチぐらい伸びているのですが、そこに水がたまってしまって、まるで田植えの後のような状態が2、3日続きました。麦は湿気を嫌い、しけってしまうとだめなんです。乾田でよくできるものですから、生えたての麦が浸水すると、その影響はものすごく大きくて、今年の夏は病気が出ました。平年ですと、米と同じくらいの7俵が穫れますが、今年は6割とか5割とかでした。

 

○ 農業は、やはり「観察」   ・・・・ 丹野 喜三郎

 私の県では、農業気象の研究を70年ぐらい続けている集団があります。私も首を突っ込んで20年ぐらいやっていますが、当たるのは70%ぐらいですか。また、錬成会というのがあって、気象だけでなくて、地形とか土の質によって作物がどうか、それからよい作物はどういう形をしているか、そのような勉強をしていて、私にとっては非常によい勉強になっています。

 

○ 合理的な施設野菜有機無潅水栽培技術   ・・・・ 小川 光

 ハウス野菜というと、有機農業にそぐわないと思う人もいるかもしれませんが、露地と比べ、1.雨が当たらないから疫病等が防げる、2.雹や風から守られる。3.大型の害虫や鳥獣害から守りやすいなど、農薬を大幅に節約できます。私は主にメロンとミニトマトを作っていますが、いずれも、a.部分耕・堆肥の溝施肥、b.疎植多本仕立や台葉・台果の活用、c.野草帯の設置を基本としています。

 

● 佐藤喜作のキサクな話 魂は何で包むべきか   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 私の作業着は、娘たちが着古した体操着である。つい先たって農協の農機具センターに出かけたら、私より3歳ほど先輩も来ていた。「やぁーしばらくだこと、何年ぶりだなー、まめであったがや?」と声をかけた。しかし返事がなく、しげしげと私を眺めている。「何かしたかな?」と問うと、「そんな格好している人あまり居ねなー」とのたまうのである。

 

● 熱き心くん   ・・・・ 藤田 敏

 

 18歳まで暮らした故郷の隣の小学校区。限りなく「U」に近いJターンで就農して2年。40歳になった。大阪・泉州生まれの妻と神奈川・三浦半島で生まれ育った子ども二人にとっては未知の土地。その市街から3キロほどの緩やかな丘陵地に約8反の田んぼを預かり、自給用の米と露地野菜をあれこれ少しずつ作ってはあちことに少しずつ売る暮らしがなんとか定着してきた。

 

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ16「ゆかり」と「ニシン大根」   ・・・・ 玉井 道敏

 

 今まで、市販されている「ゆかり」で優れものと思った経験がなかったのですが、昨年、我が家で作ったゆかりはなかなかの逸品でした。梅干を作る過程で、シソの量が多すぎたので、その一部をまわして梅干の副産物としてゆかりにしました。

 

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『土と健康』2008年1・2月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 新年おめでとうございます。

 今年も流木たちとおつき合いください。

 これらは、うちのベランダで採れた

 ハヤトウリたちと流木。

 お正月まで、ハヤトウリは元気でした。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 私の発言 食と農の自給・自立を

 あめつち(天土)を自ら耕し、自給に取り組もう   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 干支のはじめの子年の年頭にあたり謹んで、ご挨拶を申し上げます。

 何事も最初が肝心で一年の計は元旦にあり、干支12年の計は子年の本年にあります。そうした意味では極めて大事な年にあたります。農と食の自給に取り組む出発の年でありたいものです。

 

● 第36回日本有機農業研究会全国大会・総会のご案内

 

 ・案内ページへ

 

● 有機農業と黒澤酉蔵   ・・・・ 麻田 信二

 

 「天地、機有り。」と漢書にある…「機」とは、大自然の運行のしくみ。天地、すなわち自然の理を尊重し、順応してそれを助け合うのが農業。日本有機農業研究会の創立者・一楽照雄は、会の名称に有機農業と付けるのに先立ち、1971年4月、千葉に閑居していた黒澤酉蔵を訪ね、その広く深い意味の啓示を得た。

 

● DVD「農薬 その光と影」「日本の公害経験5」より   ・・・・ 河合 樹香

 

 環境映像シリーズ「日本の公害経験」は、1995年にTVEジャパンが設立されて以来、アジアの発展途上国を対象に自主制作・配給してきたシリーズです。

 日本が過去に経験した「公害」の歴史と、その解決の道のりを描いた番組で、現在、経済一辺倒に突き進むアジアの発展途上国が日本が経験したような公害を繰り返さないよう、学びとってもらおうという目的で制作されてきました。その5作目が、農薬に焦点を当てた「農薬 その光と影」です。この作品は、アジア各国でテレビ放送や教育機関等での上映会が行われています。この作品は、第36回日本有機農業研究会全国大会の「有機農業映画上映・懇親会」(3月1日 午後9時~)で上映します。

 

● グローバル化がもたらす“新しい貧困”

 しのびよる農業恐慌が村を覆う   ・・・・ 大野 和興

 

 農産物価格の下落、借金の重圧、そして生産し生活する場である土地からの切り離し-。いま日本の村で起こっていることの背景を探っていくと、あらゆるものを商品化し、市場で「競わせるグローバリゼーションという現実に突き当たる。自由貿易に乗って世界中から安い商品が押し寄せ、価格を引き下げる。そのことをスムーズに進めるために、農業の生産や経営の安定にとって必要だったさまざまな政策的支えを「改革」と称して取り払ってきたのが、この十数年の動きだった。

 そしていま、農民にとって最後の砦ともいえる農地で、農地法から耕作者主義を取り払い、外部資本の農業への参入を自由化しようという検討が政府部内で始まっている。いま、この日本で進行しているのは、農業の主体を農民から資本へ移行させようという動きであり、いまの事態はその前哨戦に過ぎないともいえる。その意味で、いま農民を襲っている困窮は、グローバル化がもたらす“新しい貧困”と定義することができる。

 ことの背後にあるのがグローバリゼーションである以上、問題は日本国内にとどまらない。世界の農民世界で同じ事が起こっている。 その意味で今、家族で耕し家族で生きる農民は、国境を越えて同時代を生きているといってよい。

 

● 「全国有機農業の集い2008」 協賛・賛同のお願い >> ページへ

 

● 熱き心くん   ・・・・ 高田 潤一朗

 

 師匠の佐藤俊徳は「農は大変だ、だが楽しいんだ!」と、研修当初から一貫して応援してくれている。本当に有り難いことである。おかげで「農は最高!」との思いは初心のまま、夢を追い続けれられている。来春には研修を終え、地元関西で就農する準備に入る予定だ。

 

● 食品安全委員会は国民の食の安全を守れるか!

 食品添加物は食物でない!基本的には毒である   ・・・・ 八竹 昭夫

 

 食品安全行政が揺らいでいる。いま、内閣府食品安全委員会がそれぞれのテーマで全国各地で開催している“食の安全・安心シンポジウム”は、それに基づくものだ。2001年にわが国にBSEが発生した翌々年、政府はその反省に立ってか、食品安全基本法を制定した。

 今回、岐阜市での安全・安心シンポジウムの信じられない運営の事実を報告する必要性に迫られる不幸を淋しく実感する。

 

● 農場だより   ・・・・ 今 道代

 

 「りんご栽培は毎年、病害虫との戦い」「今年は無施肥の田んぼに挑戦」「新しい『提携』の会が発足」

 

● 種から育てよう59チヨカボチャ(北海道)   ・・・・ 斎藤 昭

 

 北海道札幌市から。家庭菜園で野菜を栽培している、加藤チヨさんからカボチャの種をいただきました。このカボチャも白老いんげん(「土と健康」07年12月号に掲載)と共に歴史のある「在来種」です。加藤さんが「甘くて、ほくほくして美味しいカボチャ」といって、種をもってきました。「たくさん植えて。カボチャ団子を作り、冬に食べたらよい」と言われたので、20鞍築きをつくり、種を播いたところ、85個も収穫できました。

 

● 春夏播き種子と種芋をお分けします―種子の提供にもご協力ください  ・・・・ 種苗ネットワーク事務局・種苗部

 

 自家採取をしている方からご提供いただいて、本会種苗部と種苗ネットワークが冷凍保存している種子の一部を、種苗ネットワークの利用登録者にお分けします。

 >> 詳しく

 

● BOOK 『バイオ燃料 畑でつくるエネルギー』天笠啓祐著   ・・・・ 古沢 広祐

 

 地球温暖化(気候変動)への対応として、いわゆる低炭素型社会(CO2排出削減)への転換が迫られている。しかし、私の悲観的予感では人類は大きな二つの罠にはまりかけているかにみえる。すなわち、バイオ燃料と原子力への依存である。抜本的な産業構造の変革や生活様式の根本的見直しを後回しにして、いわば現状の取り繕い策として、バイオ燃料と原子力を押し出す事態が起き始めている。本書は、二つの罠のうちの前者の問題点について克明に分析し批判した警告の書である。 >> 詳しく

 

● BOOK 『「有機農業公園」をつくろう』日本有機農業研究会編

 

 大都市東京の荒川河川敷に沿って、足立区民が四季の移り変わりを楽しむ緑豊かな足立区都市農業公園があります。そこにある田んぼ、畑、果樹(梅、ぶどう)の手入れを本格的な有機農業で行いたいという公園側からの依頼に応え、2004年(平成16年)4月から、日本有機農業研究会の有機圃場作業管理委託事業(有機圃場の指導助言、作業管理等)が始まりました。 >> 詳しく

 

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『土と健康』2007年12月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 海ばかりだとあきられそうだ。

 なんて、もう自分があきている。

 でも、波間をただよっている流木(オブジェ)もいいなあ。

 海や山や野原をおりまぜよう。

 野菜畑がうまくアート化できず、

 来年も流木をいろんな所へつれて行って、

 楽しい物語を創ってみようと思っている。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 全国有機農業の集い2008に向けて   ・・・・ 相原成行

 

大いに語り合いましょう!

2006年、有機農業推進法が制定され、翌年、基本方針が打ち出されました。それにともない各都道府県において、さまざまな動きが始まっています。全国各地で真摯に有機農業に取り組んできた農家に一筋の光明となるよう、有機農業推進法を育てていかなければなりません。

 この大会では、新しく有機農業の道を歩き始める人たちを増やすことができればと思います。有機農業は、農家だけのものではなく、食べる人もまた、有機農業を一緒に進める人たちです。これからの有機農業の発展のために、力を出しあいましょう。そして、今度の大会では、大いに語り合いましょう!ご参集、よろしくお願いいたします。>> 案内ページへ

 

● 温暖化・異常気象下の今年の作柄を振り返って

 

○ 本年の私の稲作と野菜   ・・・・ 古野 隆雄

 当地方(福岡県嘉穂郡)に本年は1回も台風が襲来しませんでしたが、地球温暖化の影響によると思われる異常気象に翻弄された1年でした。

 5~6月の旱魃。用水路に水が流れてこず、田植えが2週間近く遅れました。その後も水不足に悩まされました。当地方は本来、水に恵まれた所ですが、こんな空梅雨は、70年間一度もなかったそうです。

 

○ 大豆・そばの今年の作柄   ・・・・ 高波 敏日子

 大豆(さといらず)を作り始めて17~18年。本気で作り出したのは、長岡の友人たちが豆腐屋を開いた時から。そして、「さといらず」がしっかり世に出たのは、金子美登さんたちの「おいしい豆腐を食べる会」に参加させてもらって以降になります。その後、私の「さといらず」栽培は、自然な勢いで拡大していきましたが、5年ほど前、早い初雪で全部を雪の下にしてしまい、まったく収穫できませんでした。その後、大豆栽培はずっと下降線をたどってきていて、今年こそ上向きに転換したいと肝に銘じた年でした。

 

○ 害虫多発で葉物を播き直し   ・・・・ 林 重孝

 今年の天候を一言で言えば、温暖化が顕著に現れた年だったと思う。特に9,10月の高温は異常としか言いようがない。そのため害虫が多発した。播き直した葉物野菜はいくつもある。通常なら播き直すと遅くなるので育たないものが、今年は例年通り育った。間違いなく温暖化しているのだ。

 

○ 標高差のある畑ごとに対応が必要   ・・・・ 佐藤 勝美

 今年1月から例年にない暖冬で、冬に、雪ではなく雨が降りました。春先、種の播きつけの時、土が乾いて芽の出るのが遅れ、春から夏にかけて野菜の出荷出しはじめの遅れ、病虫害での収量の低下がみられました。

 

● 有機農業推進に向けた各地の動き

 

 畏友ケンジ・ステファン・スズキ氏が2冊目のデンマークの本『なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることにせいこうしたのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか』を出版した。この国の驚くべき姿を日本人は不思議に感じるに違いない。納める税金が40~50%、それに消費税が20%にもなるのに、不平を漏らす国民はいない。なぜなら、医療費、教育費は無料。無資源なのに食料、エネルギー自給率100%以上である。デンマークは、暮らしに不安のない理想的福祉国家なのである。だが、今日の福祉国家は決して思いつきで出来上がったものではない。

 

○ 神奈川県 地域の特性活かし市民参加型の新しい農業の可能性探る「有機農業推進法シンポジウム」を開催   ・・・・ 笹村 出

 有機農業推進法は昨年12月、全会一致で制定された。しかし、まだ認知度は低い。農業関係の行政職員でも、この法律を知らない人が少なくない。この法律では、地方公共団体は推進計画を立てることになっている。ぜひ、そうしたことを知ってもらいたい。これがシンポジウムの第一の目的。地元のツルネン・マルテイ参議院議員に「基調講演」をお願いした。足柄地域で有機農業によって、実際に農業を行っている4団体に「報告」をお願いした。「ジョイファーム小田原」の長谷川功氏。「報徳農場」の田嶋亨氏。「小田原有機農法研究会」の石綿敏久氏。「あしがら農の会」の代表の相原海氏。今まで団体間の交流はなかった。この機会に連絡が取れる関係になりたい。

 

○ 愛媛県 「有機農業」をキーワードに幅広いつながり シンポジウム「今、語ろう!農から生命を-有機農業推進法を考える」を開催   ・・・・ 秦 左子

 シンポジウムは、愛媛県における有機農業の先駆者に当時の思いや苦労を、新規就農者に有機農業を選択した理由や苦労を語っていただき、その後に会場も含めた議論を行い、有機農業推進法を考えていく筋書きで行いました。結果的には、行政関係者、農協関係者、農業従事者、県会及び市会議員、一般消費者が約100名、生協組合員が約100名の参加によるシンポジウムでは、筋書き通りにいくことはなく、堆肥の作り方の質問から、有機農業の哲学や遺伝子組み換え作物問題の提案まで飛び出し、推進計画への提案までには至りませんでした。しかし、閉会後の参加者の方々から、「有機農業で食べていけるんですね」「このような会をまた開いてください」と好意的な感想をいただき、「有機農業」というキーワードにより、幅広い方々とつながりできたことが大きな成果であったと考えています。

 

● 熱き心くん   ・・・・ 会田 淳

 

 今年も標高千メートルの畑に初雪が降り、仕事ができる期間も、あと少しになりました。ここ小海の地で耕して6シーズンが終わろうとしています。

 私は東京でサラリーマンを8年して就農しました。お客様と直接やりとりする有機農業を初めて見て、社会との関わりは大きく変わりました。この地で生活することも野菜や米を通して人と関わることも、すべては自分で考え行動して、責任を負うという生き方に変わりました。

 

● 種から育てよう58白老いんげん(北海道)   ・・・・ 斎藤 昭

 

 北海道札幌市から。私の菜園は札幌の自宅から100km離れた白老町にあります。加藤さんとの出会いにより、私は3種類のめずらしい種(在来種)とめぐりあうことができました。そのひとつであるこのマメは、加藤さんによると「莢も食べられ、生のまま冷凍でき、乾燥豆としても美味しいし、祖父母の代から百年以上にわたって栽培されてきた」との事です。加藤さん自身も50年以上にわたって、この白老町で栽培してきました。いんげん豆の中では重い方で、丸みがあり、種皮は黒光りしています。大豆のように割れ、噛んでみると粘りがありません。

 

● 熱気溢れた自然農業国際大会と研修   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 2007年11月4日から8日まで韓国済州島で、自然農業国際大会が開催され、出席して大変な感銘を受け、その概要とそこで発した宣言を披露します。国際大会だけにお国柄の衣装も華やかに、日本に於ける農業や農村の沈滞した雰囲気とは逆の、熱気溢れるものであった。

 自然農業というのは、韓国の趙漢珪氏が今から約40年前に提唱した民間技の農法で、主な特徴は、土着微生物の活用による土作り、植物の生長点や成長ホルモンが集中している部分や実を、黒砂糖により抽出した「天恵緑汁」を中心に駆使する農法で、食物栽培、家畜飼育に適用し、信じがたい素晴らしい成果を得ている。

 日本では1993年、日本自然農業協会が設立され、日有研の会員でもある泉精一氏が会長として活躍され、今回は日本から18名が出席している。

 

● 全国有機農業の集い2008」 協賛・賛同のお願い >> ページへ

 

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ16   ・・・・ 丹野 信嗣

 

 三五八漬けといかにんじん 福島県の郷土のお漬物で「三五八漬け」と「いかにんじん」というものがあります。どちらも食卓を彩る常備菜だけでなく、お茶うけや酒の肴としても大変広く親しまれているお漬物です。「三五八漬け」の名前の由来は、漬床を塩三、麹五、むし米八の割合で作ることから、付けられたようです。「いかにんじん」は、秋深まる頃から冬にかけて、細切りにした、にんじんとするめを醤油、日本酒、みりんなどを合わせたタレで漬け込んだものです。

 

● BOOK 『合理的農業の原理』アルブレヒト・テーア著   ・・・・ 丸山 良一

 

 アルブレヒト・テーア(あるいはテーヤとも表記されている、1752~1828年)をご存知だろうか。今から約200年前(日本の江戸時代後期)に、世界で初めて農学を独立した科学として確立し、「近代農学の始祖」として世界的に評価されている、ドイツの農学者であり農業教育者だ。しかも、自ら農場を経営した農業者でもあった。今、このテーアの理論と農法が、ヨーロッパでは「有機農業のバイブル」として再評価され、キューバの有機農業もテーアに学んだという。『合理的農業の原理』(原著は4巻、1809~1828年刊)そのテーアの理論と実践を集大成した大作で、初の日本語訳(全訳)の刊行が農文協で開始された。 >> 詳しく

 

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『土と健康』2007年11月号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 先月号で「なにやわからん」

 存在しないモノになるのが自然だと書きましたが、

 「なにやらわからん」モノを創るのは

 かなりむずかしいことです。

 でも、なんとも知れないファイトが

 沸いてきています。

 そのうち、彼らが並ぶ展覧会をやりたい。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 私の発言 農業を次世代に引き継ぐために 有機農業専門学校のプランにご意見を   ・・・・ 涌井 義郎

 

 筆者が勤めている鯉淵学園農業栄養専門学校は、農政上の法律にもとづいて運営されている「農業者育成」目的の私立実践教育三校のうちの一校です。同じ法律の下で国と道府県立「農業大学校」が全国に45校ありますが、そのほとんどが入学者確保に難渋し、定員割れの厳しい状況にあります。それはなぜなのか。

 18歳人口の急激な減少が最大の要因ですが、そのことだけが原因ではありません。当学園では、学生募集のために教員が手分けして全国の高校数百校を訪問しています。その際、ほとんどの高校の進路指導の先生から「農業志向の生徒はいません」の言葉を聞かされます。この言葉は何にも増して悲しく、切ない思いがします。

 今後、「有機農業コース」の開設を目標に、有機栽培農地の拡大と多様な実験の充実、有機畜産の試行など、有機農業専門教育のモデルを作っていきたいと学内論議を始めましたが、答えを出すのは容易ではありません。入学需要がどのくらいあるかが読み切れないのです。入学希望が少なければやはり学校は行き詰まります。

 農と食の担い手育成に全力投球してきた私たち実践型農業教育へのご支援をお願いしたい。入学生を紹介いただきたい。有機農業教育の試みと学校を存続させるための、多様なご意見をお寄せいただくことを切望します。

 yo-wakui◇mail.koibuchi.ac.jp (◇を@に変えて送信してください。)

 

● 青年部主催 2007年夏の有機農業見学会in神奈川県 新たな発見と感動の見学会   ・・・・ 土屋 康二

 

 見学会初日の8月11日は快晴。午前中から気温は上昇し続け、セミたちが人の声をかき消すほどの大合唱を奏でる中、スタッフを含む約40名の見学会参加者が集まり、マイクロバスと乗用車を連ねて最初の見学地・藤沢市の「相原農場」へ向けて出発しました。

 

● 参加者の感想

 

○ 9月から旧三芳村で有機農業の研修   ・・・・ 石田 克己、麻理子

 この9月から克己は南房総市の三芳村で有機農業の研修をさせていただくことになりました。私たちは、これから新規就農をめざして一歩踏み出したばかりです。長期有機農業をされてきた方々から、「大変だからやめときな!」と言われる事がよくありました。本当に大変な苦労をされてこられたから、そう言ってくださるのだろうなと思います。正直、本当にやって行けるのかなぁ…と不安になることもあります。しかし、今回出会った方々の、大変な中でも農業を楽しんでおられる生き生きとした笑顔と、試行錯誤しながらも新しいことに挑戦している姿に、勇気をいただき励まされました。これからもよろしくお願いします。

 

○ 農業経営の基本は家族であると実感   ・・・・ 森 ひとみ

 今回見学した3つの農園は、それぞれご本人とそのご家族が協力し合っておられました。農業というのは家族経営が基本と、改めて思ったのと同時に、歴史を振り返れば、ずっとずっとそうやって家族という最も小さくて基本の集団で、土の上で生きてきたんだと思いました。農薬や化学肥料を使わない農業は、一言では言えない大変なことや、苦しいことも辛いこともあると思います。どんな逆境にあっても、家族の支え、仲間の協力があって、収穫を迎える日には気持ちも豊かになり、それが、継続と成長の原動力になるのではないでしょうか。

 私は農業に関わって7年目ですが、年数を重ねただけで自立はしていません。自分の将来に不安や迷いもありますが、このように同じ農業をされている方と交流することで、また前進できそうです。

 

○ 有機農業の果たす役割とその意義に惹かれて   ・・・・ 藤本 充朗

 いずれの見学先でも、創意工夫で困難を乗り越え、豊かな実りを享受し、有機農業に労働の本来の喜びと誇り、そして意義を感じておられることを短時間の見学でも感じることができました。有機農業が、実践されている方々の誠実な取り組みが、正当に評価され正しい対価を得、さらに普及し、食・環境・地方経済や社会の安定化に寄与することを願って止みません。私は現在会社員ですが、有機農業の果たす役割とその意義に惹かれ、近い将来、会員の皆様と共に日本の有機農業の一翼を担うことを夢にしています。関係者の皆様、本当にありがとうございました。

 

● 佐藤喜作のキサクな話 主食(主役)とお菜(脇役)   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。

 

● とれたて青年部7 私が見た青年部   ・・・・ 増田 裕子

 

 農業をしている人、いつか農業をしたいと思っている人、どちらでもない人たちが集まって、有機野菜や有機米を食べながら農業の話をしていると、日本の農村に若者の姿がないとか、農業の衰退とか、そういう現実が嘘のように思えてきます。農業の苦労話も、なぜか笑い話。笑うのも失礼かな…とふと思うけど、話がおもしろくてついつい笑ってしまいます。そんな青年部の主催で、12月15日(土)に國學院大學の教室をお借りして、「水になった村」(監督:大西暢夫)の上映会を行います。是非ご参加ください。

 

● 有機農業推進に向けた各地の動き

 

○ 茨城県 有機農業推進フォーラム(交流する場)が発足 地域に住む一人ひとりのできることから

 6月16日、つくば市にて「有機農業推進法講演会」が開催されました。超党派で有機農業議員連盟を結成し、この立法を提案された参議院議員ツルネン・マルテイさんをお呼びして有機農業の推進普及に寄せる期待のお話を聞きました。この講演会への参加者を中心に、従来の縦割りで個々バラバラの状況を越えて、地域の多様な人々が交流と意見交換をし、有機農業を推進し地域に広める場として「茨城県有機農業推進フォーラム」が結成されました。

 

○ 茨城県有機農業推進フォーラム設立に寄せて   ・・・・ ツルネン・マルテイ

 これまで有機農業関係者が、自然の人間社会に対する有機農業の意味と将来を信じてあらゆる困難に耐え、公の支援も受けることなく数十年頑張ってきたことに私は心から敬意を表している。だからこそ今後、有機農業を日本でさらに普及させるために、国から出来る限りの支援や後押しが不可欠であると確信して、利害を超えた超党派で有機農業推進議員連盟を立ち上げ、2年をかけて議論し、法律案をつくり国会に提出し全会一致で成立となった。「意志のあるところに道がある」。このことを慣行農法から有機農業に転換するのをためらっている生産者に伝えたい。私自身もこれからも前向きな姿勢で自分に与えられた使命の実行に仲間の議員と、そして有機農業の発展を信じている国民といっしょになって取り組みたいと思っている。

 

○ 千葉県 有機農業推進計画に関わる要望書   ・・・・ 山田 勝巳

 千葉では、「有機ネットちば」(正式名 千葉県有機農業推進連絡会)が6月に堂本暁子知事宛に要望書を提出した。それにより有機農業現場の視察やアンケートなどが行われている。

 

○ 農林水産省 全国有機農業推進委員会の発足について   ・・・・ 今井 優子

 2007年10月25日に、農林水産省で第一回「全国有機農業推進委員会」が開催されました。この委員会は、有機農業推進法及び有機農業推進基本法方針に基づき、有機農業者をはじめ、農業者その他の関係者及び消費者の理解と協力を得つつ有機農業を推進するために設置された委員会です。本会からは、本会の有機農業推進委員会の委員長を務める魚住道朗理事が出席しました。

 

● [農場だより] 井上農林園   ・・・・ 井上 淳孝

 

 東京の羽村といえば、江戸初期に玉川兄弟によって四谷大木戸まで約43キロを掘った。玉川上水の取水堰で知られている。その取水堰から桜堤沿いに7ヘクタールのまとまった水田地帯、通称“根がらみ水田”があり、桜の季節を過ぎると25万球の観光用チューリップが咲き、また水田に植栽された大賀ハウスによる早朝の観蓮会も開かれる。その一角の約40アールが私達の田んぼ兼畑である。

 

● 熱き心くん   ・・・・ 武藤 俊郎

 

 私が有機農業をやりたいと思うようになったのは、今から6年以上も前。なかなか踏ん切りがつかず、悶々とした日々を過ごしてきた。有機農業に人生を賭けるぞ、と固く決心したはずなのに、翌朝になると急に不安に襲われたり…。辞表も、何回書いたことか。しかし出す直前になって、オレとんでもないことをしようとしているんじゃないだろうか、と思い直し、先延ばししてしまったり…。そんなことの繰り返しだった。今年の一月、ようやくサラリーマンを辞めることができた。やはり一度しかない人生、自分が一番やりたいことに情熱を注ぎ、悔いのない生き方をしたい。そういう想いが次第に強くなり、決心に至ったのだった。現在は、茨城県石岡市(旧八郷町)の「スワラジセミナーハウス」という所で、部屋と畑と田んぼを借り、日々農作業に汗を流している。

 

● 種から育てよう57ブルーベリー「ブルーレイ」と「バークレイ」(埼玉)   ・・・・ 池田 葉子

 

 埼玉県所沢市から。ブルーベリーは、生食はもちろんジャムやソースなど各種の加工にとても適しています。春には白やピンクの花が咲き、初夏から盛夏にはブルーの実をつけ、秋にはとてもきれいな紅葉(ハイブッシュ系がきれいです)が楽しめます。10年前に栽培を始め、防鳥網を掛けた30アールに20品種、600本弱を栽培しています。庭に植えても鉢に植えても、わりと栽培しやすい果樹です。日陰地でも、それなりに収穫できます。鉢植えも、成長と共に鉢を大き目のものへと替えていくと、たくさん収穫できます。

 

● 各地から

 

 近畿 長崎と枚方の食文化交流  ・・・・ 福川 妃路子

 

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ15   ・・・・ 今井 優子

 

 ど素人の挑戦「さつまいも飴」 焼き芋の美味しい季節になりました。以前、事務局でお菓子の話をしていたときだったでしょうか。事務局の上杉さんが、幼少期に食べたさつま芋飴の素晴らしさを語ってくれました。この世のものとは思えないような表現に、「さつま芋飴」というものを見たことも食べたこともない私は、「さつま芋飴」に憧れるようになりました。今回、鹿児島の久木田敬一さんから「さつま芋」の作り方を伺うことができました。現在は作っていないということでしたので、有志で実際に作ってみました。今回は、「熱き心くん」の武藤さんのベニアズマ15kg、大麦麦芽1kg使いました。

 

● BOOK 『アース・デモクラシー』ヴァンダナ・シヴァ著   ・・・・ 山本 規雄

 

 本書の著者ヴァンダナ・シヴァは、環境問題や農業問題を中心にさまざまな分野で活躍しているインドの市民運動家、思想家です。彼女の本は日本でもたくさん翻訳されています(本書が8冊目)。 >> 詳しく

 

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『土と健康』2007年10月号(一部紹介)

表紙のことば

 

 毎月表紙に登場する動物たちで、

 絵本を創ろうと思っています。

 これまで「サル」とか「ヤギ」とか創りましたが、

 本当は今月号の

 「なにやらわからん」ものがいいと思います。

 流木は勝手な形をしているので

 実在の動物に似ることもあるけど、

 存在しないものになるのが

 自然なんじゃないかと思いはじめました。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 私の発言 百姓と農業技術と農政は、生物多様性を手中にできるか   ・・・・ 宇根 豊

 

 国が「生物多様性指標」をつくる、と宣言したわけだ。しかもその指標づくりは、生きもの調査にもとづいてつくると、きちんと認識されている。しかし、生物多様性指標とはどういうものだろうか。「そりゃあ、生物多様性が豊かであるかそうでないかを判断できる尺度だろう。」と多くの人は思ったことだろう。私もそう思う。たしかに「うちの田んぼには、82種類の生きものが、この程度の密度でいますが、これは生物多様性の程度はどれくらいでえしょうか」という質問に答えられる「指標」があれば、とても助かるだろう。しかし、ほんとうにそういう指標ができるのだろうか。

 私の結論を先に述べておこう。できると思う。しかし、それは科学的な根拠に基づく必要は必ずしもない。地域ごとに、農業技術ごとに、百姓のまなざしごとに、曖昧ではあるが多様な指標が生まれ、試行錯誤で実践の中で深められ訂正され、最後は一人ひとりの「指標」に育てていくしかないのである。それは科学的な根拠よりもさらに説得力のあるものになるだろう。

 

● 報告 2007年「たねとりくらぶ」の集いin福井県池田町

 集まった、聴いた、見た、交換した、味わった、話した、くつろいだ、そして感じた。   ・・・・ 玉井 道敏

 

 「タネ・農の原点に回帰、そして交流」をテーマに、8月4日(土)、北陸地方では梅雨明けが長引いて不安定な天気模様が続き、台風の接近が心配される中、福井県池田町・能楽の里文化交流会館に県内外から約140名の人たちが続々と参集した。そして日本の農山村そのものを代表するような池田の地で、2007年の「たねとりくらぶ」の集い(第9回全国種苗研修会)が4日~5日にかけて開催された。運営を担当した一人としてその概要を報告する。

 

● 参加者の感想

 

○ 「自然」に敬意を払い、礼儀を尽くし、耕してきた人びと   ・・・・山田 佳奈

 2日間の集いを通して、厳しい諸条件の中で人間がどのように自然と相対してきたか、そして今後はいかに、という根本的な問を考えるための多くの契機を与えていただいたと感じている。

 

○ レンヌ名物になるか?河内赤かぶら   ・・・・ 雨宮 裕子

 ほんものの日本の野菜の種がほしいと思っていました。近くの幼稚園の学校園で、野菜作りを始めたからです。日本の野菜を育てて、園児たちに食べてもらおうと思いました。ところが日本の種がなかなか手に入りません。

 

● 佐藤喜作のキサクな話 鉄と熱と味と健康   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。

 

● 日本有機農業研究会・全国幹事会

有機農業推進法と推進計画に関連して 各地からの報告要旨

 

 「有機農業推進法」(2006年12月制定)に基づく「有機農業基本方針」が4月にでました。それにより、各地で「推進計画を作ろう」という局面になっています。全国幹事会では、各地域の動きを報告していただきました。その要旨をお知らせします。

 

● 歯科医療を食べ物から考える「恒志会」

虫歯、歯周病は生活習慣病   ・・・・ 土居 元良

 

 NPO法人恒志会について紹介させていただきます。開業歯科医であった故片山恒夫先生は、日本では予防が一般的でない時代から予防の大切さを訴えておられました。一度治療した歯の再治療、やり直しのない歯科医療の確率に生涯をかけられました。その片山先生の志を継承するために、歯科医療関係者だけではなく、健康に関係するさまざまな人々の参加を求め、結集して、恒志会が平成16年4月に設立されました。会報『地べたからの想い』を発行しています。ご購読を歓迎いたします。

 

● とれたて青年部6 畑仕事の楽しさに驚く   ・・・・ 池田 晶一

 

 消費者として青年部に関わり始めて1年、非農家の私は農家さんに週末お手伝いに行っています。

 

● 熱き心くん   ・・・・ 大森 梨紗子

 

 百姓は人や虫、土や水、さまざまなものの協力なくては生きていけない。自然の循環を肌で感じとれるので、さまざまな思いも伝わってくる。今、母なる地球の痛みを強く感じる。この生活をより良くしながら、続けていくことを基本に、地球のためにすべき活動をできることからしていきたいと思う。現在は、あーす農場とともに、東ティモールの支援もしている。

 

● 韓国の自然農業を見学して

 

 7月2日~6日、韓国自然農業見学ツアーを開催しました。総勢19名の参加でした。日本自然農業協会の事務局の姫野祐子さんのガイドもあり、皆さん安心して仁川空港に降り立ちました。見学はアイガモ農法の盛んな遠三農協、農協婦人部によるキムチ作り、もちつき体験、食事は伝統の韓国料理。自然農法の趙漠珪先生の講義も興味深く、楽しい4日間でした。

 

○ 参加者の報告

 

○ 食べ物がうまかった   ・・・・市来 真

 韓国では、1995年から国を挙げて。環境農業を推進・普及するため、各地の農協が栽培などの指導に力を入れ、リーダー養成も盛ん。また、利用してもらうために、環境農産物専門店を設置するなど、充実してきているようでした。

 

○ 日本の先を行く韓国の自然農業   ・・・・ 井上 正雄

 日本でも昨年12月に有機農業推進法ができましたが、まだ韓国のように、農協中央会から単協まで一貫して、自然農業に取り組んでゆくには何年かかるだろうかと、夢のようにも思いました。

 

○ 山の中の自然農業生活学校を訪ねて   ・・・・ 姫野 祐子

 7月3日、忠清北道槐山の自然農業生活学校に向かいました。山を登った先の盆地の村で、廃校になった小学校を借りて改築し、研修施設にしたものです。

 

● 種から育てよう56小麦「鴻巣25号」&もち麦(島根)   ・・・・ 唐木田 清雄

 

 長野県負小布施町から。「鴻巣25号」は、「日長反応が中性、低温要求性なし」つまり、長日や冬という低温がなくても穂づくりができる品種なのです。そのため、秋播いてもよいし。春播き麦としてもよいということができます。それどころか、夏播き(京都の実験で8月25日まき)で400キロという実験記録さえあるのです。私の場合、春播きの例もありますが、後作の関係もあって秋播きが普通です。

 

● ひろば ここまで来ているのに真っ青にならない日本人   ・・・・ 和沢 秀子

 

 「Xデーが間近に来ている」と、私には思えてなりません。日本は世界で2番目の経済大国と言われてきましたが、そのなれの果てが現在の日本の姿なのです。こう言っても、何のことか、と思う人が多いかもしれません。

 

● 国際有機農業映画祭2007協賛のお願い   ・・・・ 安田 節子

 

● 各地から「韓国の視察団を迎えて」

 

 九州 残念だった見学会のキャンセル  ・・・・ 八尋 幸隆

 九州 「提携」について質問集中  ・・・・ 中島 政敏

 

● BOOK 『安藤昌益の世界』石渡博明著   ・・・・ 佐藤 喜作

 

 「安藤昌益の世界」が石渡博明さんの手により出版された。昌益に関する資料は、近年かなり発見され多くの謎が見えはじめてきた。われら有機農業者も、まず実践の前に思想、心情を明確にしなければならないと思うが、本書には、その教科書となりうる内容が豊富にちりばめられている。 >> 詳しく

 

● BOOK 『天地有情の農学』宇根豊著   ・・・・ 大江 正章

 

 著者の宇根豊氏は1970年代に福岡県の農業改良普及員として減農薬運動をリードし、稲作の農薬使用量を大幅に減らす成果をあげ、広く知られています。その後、自らも百姓として新規参入。

 さらに、2000年からはNPO法人農と自然の研究所を設立し、田んぼの生きもの調査や福岡県の環境支払い政策「県民と育む農のめぐみモデル事業」などをすすめてきました。著書も多くありますが、本書はこれまでの思索と活動の集大成というべき書き下ろしです。 >> 詳しく

 

● BOOK 『自主独立農民という仕事』森まゆみ著   ・・・・ 上元 紘一

 

 今春あらためて、愛読している森まゆみ氏の一連の著作に、有機農業に関心ある人々の間で既知の佐藤忠吉翁の農事ぶりを広く知らしめる佳い本が加わり、深い感銘を受け続けています。 >> 詳しく

 

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>> 紹介0708

『土と健康』2007年8・9月合併号(一部紹介)

今月の表紙

発作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 先月号(7月号)の「ヤギどん」と今月号に登場した

 「メスヤギちゃん」は、なんだかよく似ている。

 多分、メスヤギちゃんだけの出演だと、

 「まえに出たヤツと同じじゃあん」といわれそう。

 そこで今月号表紙を撮影した「ごいし浜」に、

 先月号を撮影した「なべた浜」から泳いできた

 「ヤギどん」がもう一度、登場することになった。

 「なべた浜からきたよう!」とヤギどん。

 「あら!いらっしゃーい」とメスヤギちゃん。

 撮影に約1時間~2時間、

 「オーイ」、沖から声が聞こえた。

 なんだが愉快な仲間が、ドンブラコッコと

 波に乗ってやってきた。

 「君も。“土と健康”の表紙に出たいの?」

 と拾いあげたが、かなり大きいし重い。

 引っ張り上げようとしたぼくのズボンは、

 次の大波でグショグショになってしまった。

 今年中には彼(または彼女)も出演するかも…。

 

田島征三

ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 講演録 平成19年5月27日枚方・交野健康むら21講演会

「医療崩壊」に直面するわれわれの生きる道―自ら治す、医療能力を開発する   ・・・・ 橋本 行生

 

 「ぎりぎりのところで働いている病院」―医療崩壊という言葉がよく使われるようになった。同盟の本が出版され、今やこの言葉が定着したかに見える。

 「家庭療法は生きるための基本的な生活の知恵」―治療手段は病院の注射や飲み薬だけではない。医療には素人である住民の医療能力を開発すれば素晴らしい成果が得られることを、われわれは岩手県衣川村の家庭療法研究会の実践で体験することができた。

 「『高齢者医療制度』の真の狙い」―現代日本の「医療崩壊」という危機は、深くは、医療とその権威を医師達が独占しているという誤りに根ざしている。こういう認識から出発しなければ、この問題の真の解決はない。医師・看護師等々の専門職員を増やすことが総てでは決してない。素人の医療能力の向上にともなってはじめて、国民大衆の健康・保険に対する関心もたかまり、医師に対する依存性は減る。

 「『私こそ私の主治医』という生き方を」

 

● 第35回日本有機農業研究会全国大会in愛知県豊橋市 報告

 食と農がもたらす深刻な健康被害―本当の健康とは   ・・・・ 船戸 崇史

 

□有害な外因を除くとは ―めだかと人間、未曾有の環境、環境問題とは原因?結果?

□自然治癒力(生命力)を引き出す ―自然治癒力とは?、トマトの生命力、生命力(自然治癒力)を引き出す鍵は「信じる心」、信念の限界が現実の限界

□自然治癒力を湧現する7つの方法 ―1.寝ること、2.規則正しい生活スタイル、3.正しい食事、4.適度な運動、5.よく笑う、6.呼吸法、7.思いやり=違いを認めること

□本当の健康とは ―病気は人生の目的を狂わす

□健康とは目的を果たすための条件

 

● セミナー報告 自然分娩のすすめ

 自然な分娩とは そしてそこに見えてくるものとは   ・・・・ 久野 愛里子

 

「コーディネーター 久野愛里子 報告と提言 吉村正

 吉村先生の病院、吉村委員は愛知県岡崎市にあります。そこで、日々、自然なお産に取り組んでいます。その病院は、見た目は普通の産院ですが、中身はかなり違います。特におもしろいのが「古屋(ふるや)労働」です。「古屋」は、病院の裏手にある、とても立派な古民家です。そこでおなかの大きな妊婦が床や壁を雑布でみがいたり、庭で木をノコギリで切ったり薪割りをしたりするのです。その薪で炊いたごはんでつくったおにぎりを食べるのは楽しみの一つ。妊婦さんたちは実に楽しそうでした。

 

● 佐藤喜作のキサクな話 飯と災害と備え   ・・・・ 佐藤 喜作

 

● 熱き心くん   ・・・・ 関 大輔

 

 僕は一般的な家庭に生まれ、一般的に育てられ、一般的教育を受けてきたと思います。今は世の中消費社会。つまりは生まれたときから消費社会の中で生きて、お金があれば何でも簡単に手に入る。いらないものは捨ててしまえ、そういうのが当たり前のことだと思っていました。その当たり前を壊すきっかけになったのは、大学で出会った2つの団体です。

 

● 持続可能な未来をつくる 地球市民の育成を目指して   ・・・・ 丹下 晴美

 

 さよなら校長先生 六年二組 岡本 泰士

 住みたい町    三年一組 川本 みなみ

 ピースセレモニー 六年一組 白石 亜紀

 考えが変わった! 六年二組 越智 由貴

 

 今年三月、教員最後の三年間を母校の城東小学校で終えることができました。離任の日に、270名の児童と教職員全員から退職記念文集「校長先生ありがとう」をプレゼントされました。三年間を共にした六年生のメッセージには、持続可能な未来をつくる地球市民としての自覚と自信があふれていました。

1.食べられる校庭から地球が見える!三年生の総合的な学習「住みたいまちづくり」

2.知恵と工夫でストップ地球温暖化!四年生の総合的な学習「環境」

3.「食と環境」の見直しは、家庭との連携で!五年生の総合的な学習「食と環境」

4.広めよう 平和の心!六年生の総合的な学習「平和」

 

● とれたて青年部5 青年部の活動にアイデアを   ・・・・ 関塚 学

 

● 07年2月11日 日本有機農業研究会 シンポジウム

 有機の田畑から平和を考える

コーディネーター 舘野廣幸 パネリスト 柳谷励子、魚住道朗、山木直樹

 

 07年2月11日、東京都文京区の男女平等センターにおいて「有機の田畑から平和を考える ~有機の暮らしが平和をつくる~」というテーマでシンポジウムが開かれました。コーディネーターに栃木県の舘野廣幸さん、パネリストに岩手県の柳谷励子さん、茨城県の魚住道朗さん、千葉県の八木直樹さんを迎え、有機農業と平和についてそれぞれ語っていただきました。

「農薬の素は人を殺すための毒ガスだった」―「近代農業に流れている戦争の思想」―「権利を保持するために『不断の努力』が必要」―「百姓として有事法制に反対しよう」―「農場だけでなく社会も有機的につながっているか?」―「日本有機農業研究会の使命は 世直し」―「憲法と有機農業は平和の砦」―「命をつなぐための畑を戦場にしないために」―「農業による自立した経済を!」―「平和の意味を自分の暮らしに結びつけて考える」

 

● 農場だより 早津農園   ・・・・ 早津 一仁

 

 「わが家の紹介をほんの少しだけ」―「春・猫の手も借りたい忙しさ」―「幸せを呼ぶ『ツバメ』の巣作り」―「6月・7月の草との格闘・・・大空にはトンボ達が」―「提携と有機認証制度・・・明るい未来が描けるのか?」―「『玄米黒酢農法』に期待を込めて」

 

● 種から育てよう55「マーシュ」   ・・・・ 林 重孝

 

 オミナエシ科ノヂシャ属の野菜で葉物の一種です。トウモロコシの下草として生え、サラダで食べることから、英名ではコーンサラダと言われています。プランターや鉢に播いても、冬から早春まで少しずつでも便利に使えるでしょう。

 

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ14 キュウリの食べ方いろいろ   ・・・・ 藤田 妙子

 

 7月に入って、世田谷の大平農園では、連日大量に採れていたキュウリが、雨不足もあってか、成長が小休止。曲がりキュウリも多くなりました。そこで、2級品のキュウリをたくさんいただいてきては、どうしよう?と嬉しい悲鳴。スーパーに並んだ野菜を買う味気なさとは違って、「生産現場」へ出入りする楽しみはここにあり!という感じです。1~2センチに切って、塩をして、石で重みをかけ、かなりしんなりしてきたところで、千切りの生姜と一緒に付け汁(お醤油と黒砂糖をぜいたくに使いました。)に入れて、冷蔵庫へ。

 

● 各地から

 

北陸「にいがた有機農業推進ネットワーク」結成総会   ・・・・ 相馬 直美

 

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>> 紹介0707

『土と健康』2007年7月号(一部紹介)

作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 鍋田浜

 

 下田の鍋田浜は小さい入り江で、実におだやかな浜辺だ。

 真夏は、家族ずれの海水浴客でにぎあうのだろうが、

 今は誰もいない静かな浜だ。

 流木は、荒海を漂って流されて、おもしろい形になって、

 岩場に打ち寄せられて、ぼくのろころにやって来たのだが、

 こんな美しい入り江の岩の上で、休ませてあげたくなるのだ。

 

田島征三

ホームページアドレス

http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 私の発言 豊かな力強い有機農業を、いよいよ伝えるとき―研究施設にも実践的な有機圃場を―   ・・・・ 魚住 道朗

 6月6日、茨城県石岡市のわが魚住農園の畑には、総勢50人を超える研究者や生産者が現地検討会のために集まった。はじめにジャガイモ・カボチャ・とうもろこしの畑の道路脇で開会の挨拶とオリエンテーション、その後、昼食をはさんで家の周辺にちらばる6~40aの畑を説明しながら順番に見て回った。そして最後に、JAやさとの夢ファーム(新規就農者受入制度の畑)や新規就農者の畑などを見て、JAやさとの会議室で話し合いをもった。この「有機農業技術開発のための現地検討会」の主要な目的は、有機農業推進法の制定及び有機農業推進基本方針策定を踏まえ、国の農業研究の中枢を担う茨城県つくば市にある中央農業総合研究センターの研究者が地元茨城でも早くから有機農業に取り組んできた旧八郷町地域の有機農業を実地に見るところにあった。同センターの丸山清明所長をはじめ、各部門の研究チーム長や主任研究員(20名)が参加した。

● 第35回日本有機農業研究会全国大会in愛知県豊橋市 報告

 危ないリサイクルの現場から―石原産業「フェロシルト事件」―   ・・・・ 吉川 三津子

1、一部上場企業「石原産業」が産業廃棄物をリサイクル製品と偽って不法投棄 2、放射性物質を含む「赤い土」 3、畑に埋めたり、他人の土地に無断で埋めたり 4、岐阜県の調査で六価クロム検出 5、解決を遅らせた「三重県のリサイクル認定」 6、産廃処理費削減のための不法投棄 7、六価クロムが生成されることを知りながら 8、果たして有効なリサイクルか、見極めよう

● 分科会報告

○ 第4分科会 体験・体感して学びたい 本当の農と食   ・・・・ 窪川 典子

座長 窪川典子 報告者 小笠原弘・魚住道朗

 地元愛知県から、渥美半島の豊かな自然に囲まれた有機農業「どろんこ村」の小笠原さんと、茨城県で長年有機農業をされている本会生産部理事の魚住道朗さんのお二人に貴重な実践報告をしていただきました。

○ 第6分科会 遺伝子組み換え作物と私たちのくらし   ・・・・ 安田 節子

座長 安田節子 報告者 村上喜久子・鶴巻義夫

 村上喜久子さんの報告―北海道十勝から共同購入していた牛乳の資料をNON-GMとするよう、生産者から関係者へ働きかけ、3年がかりでNON-GM飼料に切り替えることができた。また、安全性審査の申請資料の書き写し作業に取り組んだ。その結果、安全性審査と言っても、開発企業の提出した資料を読むだけというものでその内容も非常に問題の多いことが明らかになった。現在取り組んでいるのが『遺伝子組み換えナタネ抜取隊』。

 鶴巻義夫さんの報告―農水省は花粉症緩和米などGMイネの開発を推進し、有機農業推進法が成立したので「有機農業、GM、慣行農業の共存」をうたうようになった。共存はあり得ない。輸入農産物の外圧にさらされ、高齢・過疎化で崩壊しつつある日本農業を、本来あるべき農業に立て直すには有機農業を広めてゆくしかあるまい。有機農業はもちろん、日本農業をGMで汚染させることは絶対にさせてはならない。

○ 第7分科会 米は日本の宝―有機稲作を始めよう   ・・・・ 舘野 廣幸

座長 舘野廣幸 報告者 稲葉光國・中村陽子

 「宝」は訓読みで「たから」と読みますが、この語源は「田から」であるという説があります。かつて「田から」生まれるものは、まさに宝物でした。しかしながら、農業の近代化は「田からもの」の輝きを失わせてしまいました。その輝きを取り戻すのが有機稲作ではないかということで、NPO法人民間稲作研究所の稲葉光國さんとNPO法人めだかの学校の中村陽子さんのお二人から基調報告をいただきました。

● 総会に出席しない人のためのセミナー 春の山野草にお茶を添えて   ・・・・ 氏原 幹人

お茶の生産者 後藤元則・紀生子、鈴木康治 国際薬膳師 矢田喜代子

● 佐藤喜作のキサクな話 世界遺産登録に向けて 藤原三代の思想を21世紀に   ・・・・ 佐藤 喜作

 NHKテレビのフォーラム東北で表題の放映があり、大変心打たれ、東北の農民として考えさせられた。それは、歴史は中央支配の表だけにライトが当てられ、それをすべてと受け止めてきた反省と、それに導き出されるあきらめの結論についてである。

● 有機農業推進法制定を記念して開かれた「いのち耕す人々」の上映会 有機農業運動の信念と粘り強い取り組みと「提携」による地域再生の記録   ・・・・ 相馬 直美

 4月19日、有機農業推進議員連盟主催による記録映画「いのち耕す人々」が上映された。「いのち耕す人々」は、「1970年代の初めに近代化の光と陰を深く強く自覚した若い農民たちが『沈黙の春』を乗り越えて、食の安全と農村の原風景を取り戻そうと立ち上がった農民群像の奇跡をたどったものであり、地域の再生に到達するその姿を描いたドラマ」である。この上映会は昨年12月の有機農業推進法の制定を記念して、日本有機農業研究会の協賛と家の光協会、山形県、高畠町の後援を得て開催されたものである。午後から2回にわたる上映会には、国会議員を始めマスコミ関係者、農業従事者、研究者、学生、一般市民など延べ350人もの方々が足を運んでくださった。その多彩な顔ぶれは有機農業への関心の高さを十分に伝えてくれるものだった。上映に先立ち日本有機農業研究会幹事の星寛治さんと、有機農業推進議員連盟を代表して参議院議員ツルネン・マルテイさんが舞台挨拶に立ち、有機農業への思いを語った。

● 「いのち耕す人々」上映会アンケート(抜粋)

● 種から育てよう54「ロマネスク」   ・・・・ 岩崎 政利

長崎県雲仙市から。このロマネスクという野菜は、カリフラワーとブロッコリーの中間タイプのものです。どちらにも属さず、いままで、全く利用されずにきたものです。しかし、よく見てください、こんなにきれいな姿をした野菜がありますか。渦巻き状をした花雷は、芸術的な美しさでみごとなものです。それに、食べてもおいしいですから、何とか広げていきたいと思って、種を守ってきました。

● 秋捲き種子をお分けします (別表2007年秋期頒布種子)   ・・・・ 種苗部

● 熱き心くん   ・・・・ 上村 友子

 ここでの田んぼの畦塗りも3度目の季節を数えた。私は現在、栃木県藤岡町の有機栽培農家である町田武士氏の元で実習生をしている。和綿栽培のほかに野菜の生産販売、それから収益事業ではないが、建築にまつわる仕事を農家の中で行っていたりした。「心地のよい衣食住の提案」が、いちばん解りやすい師のテーマである。衣食住、そのどれもが欠かすことができないものだと、感性の趣くまま活動してきた。そんな一人の百姓の生き様を心に焼き付けることができたのが、私のいちばんの学びではなかったか。

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ13 手作り醤油   ・・・・ 林 初枝

 我が家で醤油を作り始めて10年近くなります。群馬の有機農家の方がわが家を訪ねてこられたとき、手土産に手作り醤油をいただいたのがきっかけです。そのとき作り方を伺ったら、材料は、小麦、大豆と塩で、小麦と大豆は作っていたので、わが家でもできそうと思いました。さらに、母屋の天井裏に、搾るための槽があることがわかりました。第二次世界大戦前に物資に困窮し、醤油も自分で作るようになるかもしれないからと道具を買ってあったそうです。数十年ぶりに使うことになりました。専用の槽がなくても栓のついた木樽でも、同様に絞れます。やってみれば意外と簡単ですが、一番難しいのが、仕込みの時に温度を上げすぎないようにすることです。また、同じ発酵食品でも嫌気発酵で、仕込んでしまえば熟成を待てば完成ですが、醤油は好気発酵で毎日、もろみをかき混ぜることが大変です。

● BOOK 『生物と無生物のあいだ』福岡伸一著   ・・・・ 安田 節子

 生命とはなにかという基本的問いかけから始まる生命科学の探究の歴史を道案内し、そしてついに生命の本質へ迫る高みへと導く。専門用語によらず平易なことばと卓抜な喩えを用いて、生命科学の核心にスリリングに迫る。 >> 詳しく

● 食と農の市民セミナー みんなの有機農業

>> 詳しく

● ぐんま科学フォーラムinTOKYO「有機リン問題の最前線」に参加して   ・・・・ 山田 幸江

 5月11日、東京ヤクルトホールに於いて群馬県主催「ぐんま科学フォーラム・有機リン問題の最前線」が開催されました。その概要と最新のレポートをご紹介します。

● とれたて青年部4 「新・農業人フェア」レポート   ・・・・ 土屋 康二

 新・農業人フェアは、全国農業会議所が発行している無料の季刊誌『イジュウインフォ』によれば、「新たに独立して農業を始めたい人、農業法人に就職したい人、野菜など自給農産物を作りながら田舎で定住を考えている人のための総合イベント」と説明されています。しかし、実際の会場の雰囲気は、「農業法人版・合同企業説明会」と言ったほうがしっくり来るんじゃないでしょうか。あくまで私観ですが。それだけに、会場内の特設ステージで『新規就農セミナー』として長時間にわたって行われたトークショーの顔ぶれがほとんど有機農業関係者で占められていたのは意外でした。

 

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>> 紹介0706

『土と健康』2007年6月号(一部紹介)

作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 毎年、5月に催される「伊豆高原アートフェスティバル」。

 この催しのオープニングパーティの余興にオークションがあり、

 参加アーチストの作品が競売にかけられる。

 ぼくはいつも流木などに彩色して出品する。

 (3月号は、数年前に枝珊瑚のかけらに彩色して出品し、知り合いのお嬢さんがせりおとしてくれたものをお借りした)

 今年、ぼくの作品をせりおとしてくれたのは、

 去年、黄色いお猿さんを2万円もの大金でせりおとしてくれた、みなこさん。

 「今年も!」と、はりきっておとしてくれた。

 2点ともお借りして撮影させていただいた。

 

田島征三

ホームページアドレス

http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 私の発言 自然の叡智をいただいて 明日へ

―第35回日本有機農業研究会全国大会 参加のお礼と概要報告―   ・・・・ 松沢 政満

 3月10日は、会場の豊橋市西海岸としてはめずらしい、風のない暖かな日でした。しかし、夜に雨が降り、明けて11日は強風と、目まぐるしく天候の変化するなか、大勢の方が大会にご参加いただき、ありがとうございました。

 参加費を払って入場いただいた方が508人、地産地消健康弁当を考案し、市内の弁当屋さんと協力して作って、販売や説明に来てくれた豊橋商業高校の生徒さんや引率の先生17人、来賓、講師、マスコミ等約30名で、総勢560人余の皆さんのおかげで、にぎやかに楽しく、有意義な2日間の大会を実施できました。大会実行委員会に名を連ねた56人と、当日お手伝いに専念し、裏方として大会を支えてくれた多くのスタッフと共に感謝しつつ、大会の感動を共有し、将来の有機農業発展につなげたいと、気持ちを新たにしております。

● 大会アピール 自然の叡智に学んで、農と食から循環の暮らしへ

 >> 本文へ

 

● 大会基調講演 どうする日本の食と農 生命科学の進歩を問い直す   ・・・・ 河田 昌東

はじめに

1、遺伝子組換え作物の現状

2、遺伝子組換えのもたらしたもの

3、安全性は確保されたか

4、農作物で医薬品・工業原料を作る

5、GM動物とクローン動物

6、グローバリゼーションと農業の寡占化

7、農業と文化の多様化を目指して

● 分科会報告

○ 第1分科会 木曽川の水がつくる生命地域のくらし   ・・・・ 瀬口 俊子

座長 瀬口俊子 報告者 岩月麻里・宮沢杉朗・丸山喜幹

 「くらしを 耕す会」は、食の基本をお米と野菜において、地域自給をめざした活動を続けてきました。会の名前には、食を通じて便利で物に溢れたくらしを見直していこう、との意味が込められています。分科会では、事務局、会員、生産者それぞれの立場からの報告がありました。会運営の柱である野菜セットは、生産者に年間を通した作付けを依頼して、会員は毎週受け取るのが原則、生産費の支払いは分割で、という作付け代のシステムや、食べ物を商品としてとらえるのではなく、生産者、会員、事務局相互のつながりを求める考え方など。

○ 第2分科会 自然の叡智に学ぶ農 地球環境時代の有機農業   ・・・・ 横山 順子

座長 横山順子 報告者 松沢政満

 今年の1月から大会1週間前まで、中日新聞の「味な提言」に松沢さんの記事が連載された効果なのでしょうか、分科会では定員100名をはるかに超える人々が集まり、スタッフは補助イスをどれだけ出したかわからないほど大盛況でした。分科会で資料として配られた「農業の視点比較図」は、時代の変化とともに新しい情報が加えられてきたものの、根本的な部分は10年前と変わることなく、松沢さんの農業への取り組み方や考え方のゆるぎない信念を、再認識する機会を与えてくれました。

○ 第3分科会 はじめよう有機農業 未来を拓くライフスタイル   ・・・・ 佐久間 清和

座長 佐久間清和 報告者 蒲田友生・正木努・小川友則

 3人の新規就農の方にお話を伺いました。集まって下さった参加者のみなさんは50名ほどで若い方から中高年の方までおられました。前半は、座長が用意した質問に一人ひとり答えていただく形をとり、後半は前半の流れをふまえ、参加者から直接質疑を投げかけていただき、あっという間の2時間20分でした。

○ 第5分科会 有機農業推進政策とこれからの有機農業運動   ・・・・ 相原 成行

座長 相原成行 報告者 林重孝・久保田裕子・安井孝・宇根豊

 まず林重孝さんから有機農業の推進に関する法律の説明があり、次に久保田裕子さんから有機農業の推進に関する基本方針(案)の説明と今後の働きについての話があり、さらに、参加者たちへ「パブリックコメントを出しましょう」と呼びかけました。

● 第35回全国大会に参加して   ・・・・ 田知本 正夫

● 第35回通常総会の報告 自給と提携、歴史を踏まえた有機農業の推進を   ・・・・ 総務部 久保田 裕子

 2007年3月10日・11日、愛知県豊橋市において、「自然の叡智に学んで、農と食から循環の暮らしへ」をテーマに、第35回日本有機農業研究会全国大会・通常総会が開かれました。

 大会は、松沢政満大会実行委員長はじめ50名を超える実行委員会メンバーの熱心な準備で、特に地元からの参加者も多く、盛大で充実した会になりました。主催者側から佐藤喜作理事長、松沢政満大会実行委員長、来賓として小出義光愛知県農林水産部部長、早川勝豊橋市長、有機農業推進議員連盟のツルネン・マルテイ参議院議員からご挨拶をいただきました。

 基調講演・河田昌東さん、地域報告・吉川三津子さん、そして星洋輔・さやかさんから大会アピールが提案され、拍手で採択しました。次に7つの分科会、夜には、「農の語らい」(懇談会)。翌日には、種苗交換会、2分間スピーチ、3つのセミナーが開催されました。その後、午後からバスに分乗し、現地見学会が行われました。1日目のお昼には、豊橋商業高校の生徒による地産地消ヘルシー弁当が好評、夕刻の懇親会では、地元の有機野菜をふんだんに使ったお料理が並びました。

● 佐藤喜作のキサクな話 家とホーム、家族とファミリー   ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。

● 青年部主催 有機農業入門講座2007

 とことんきこう!就農について   ・・・・ 池田晶一

パネラー 井波希野・田中康介・山本茂晴 コーディネーター 井上昌代

 就農への道―研修・農地は?―資金は?必要な物は?―堆肥・肥料は―販売先について―消費者とのつながりについて―農業以外の活動について―将来の夢

○ あっという間の3時間半、来てよかった!   ・・・・ 本郷 泉

 講座は、現在就農されている3人の方のパネルディスカッション形式で、それぞれ違う状況、環境下で研修から就農に至るまでのお話を詳しく伺えて、とてもよかったです。また、私は漠然と東北の山間部などの過疎地に行きたいと思っていたのですが、農作物の需要や流通面での利便性やコストや子供の学校、病院などの生活面などを考えた場合、人工の集中している都市部に近い方が良いのかもしれないなど、お話を伺いながら具体的にイメージすることもでき、参考になりました。

○ 不安を払拭することができました   ・・・・ 永谷 嘉規

 新規就農することを目標に研修をはじめてから2年近くが経とうとしており、先のことも考えています。有機で農業をやっていくことに迷いはありません。農地、資金面のこと等少し不安はありましたが、今回のパネルディスカッションは、それを払拭する良い機会となりました。そして、日々の研修でも教えられてきたことですが、あとは自分自身がどれだけ強い信念を持つかということが、独立する上で大切なことだと再確認できました。

● とれたて青年部3 夏の見学会、今年は神奈川   ・・・・ 中野 幸子

 4月の青年部会で「夏の見学会」の見学先を決定!神奈川県藤沢市「相原農場」、二宮町「有機農園つ・む・ぎ」、大井町「ブルーベリーつみとり園“旭”」。

● 熱き心くん   ・・・・ 荒井 純子

 今年は、就農10年目になります。両親は会社員、両親の実家も農家ではなく、大阪の新興住宅地で育った私は当然、農家なんて「知らない」人間でした。高校卒業後、会社員として大阪で働いていましたが、11年前に退職し、その1年後にめでたく就農することができました。北海道で牛を飼うはずが、どこをどう間違ったのか、九州でみかんを作ることにはなりましたが…。

● 熱き心くん   ・・・・ 勇惣 浩生

 「今年は思い切って大きく羽ばたきたいと思います」これは、私の昨年の年賀状の言葉です。そして、周囲の方々の暖かい反対の大合唱を押し切って、昨年3月いっぱいで23年間の教員生活にピリオドを打ち、「自然農」の百姓の道へと足を踏み出しました。思い起こせば8年前、高木善之さん、槌田劭先生、川口由一さんと、私の人生を変えるきっかけを与えてくれた方々と次々に出会い、自分なりに『私はいかに生きるべきか。私にとって子ども達に言い訳をしないで胸を張って生きていくとはどういうことなのか』を問い続けた8年間でした。

● 各地から

 北関東 「第5回 アースデイin佐久  ・・・・ 増田 裕子

 南関東 「アースデイ東京」  ・・・・ 笠原 秀樹

● 種から育てよう53「種子・花粉・穂木の保存」   ・・・・ 武田 松男

 東京都杉並区から。今回は、種子・花粉・穂木の保存方法を紹介します。自分用種子の保存方法のほか、種苗ネットワークとしての頒布待機種子等にも触れます。

● BOOK 『協同組合入門』河野直践著   ・・・・ 河野 直践

 「お金がすべて」「競争がすべて」のような風潮が蔓延する中で、食と農は病み、環境も危機に瀕しています。また、営利企業が巨大化する一方で、人々はその奴隷のような存在に貶められています。残念ながら、有機農業の理想とは逆の方向に時代は向かおうとしています。

 いま必要なことは、庶民が手をつないで励ましあい、協同の力で状況を打開していくことです。そのためには、有機農業運動は、ほかの社会運動と手をつなぐ必要があるし、その一つに協同組合運動があると、私は考えています。 >> 詳しく

 

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>> 紹介0704

『土と健康』2007年4・5月合併号(一部紹介)

作・田島征三

撮影・酒井 敦

表紙のことば

 

 春の嵐の翌日、海は大荒れ。

 波が大きすぎて、波頭は画面のはるか上に。

 ここの岩は、大室山の溶岩が海になだれこんで固まった岩なので、

 黒くて、おかしな形をしている。

 次回は西伊豆の方へいってみようと、

 カメラマンと話し合った。

 

田島征三

ホームページアドレス

http://www.geocities.jp/djrnq642/


今月の記事から

 

● 林重孝さんに聞く ドイツ環境農業政策「MEKA」(メカ)の視察報告   ・・・・ 増田 裕子

 ヨーロッパの雨量は、日本の3分の1程度で、主に冬に降るため、農作物があまりとれません。また、氷河が表土を流してしまうため、土質があまりよくありません。そのため多くの農家は、草を作って家畜を飼い、その肉や卵や乳製品によって収入を得ています。MEKAは、農家が環境保全に協力することで、所得を直接補償してくれる制度です。ドイツ語で「市場負担緩和と農耕景観保全のための調整金プログラム」(Markt Entlastungs-und Kulturlandschafts Ausgleich)という意味で、その頭文字をとってMEKAといっています。MEKAが始まった目的は、主に3つあります。ひとつは農村の景観保全です。人間がある程度手をかけないと、環境保全が保てないという理由からです。2つめに草刈りの回数を減らしたり、播種間隔を広くしたりして、ドイツは農作物の生産を抑えています。3つめは、国の所得を農家に移す、所得の移転です。

● イタリア・スローフードへの旅 テッラマードレ2006 第2回世界食のコミュニティー会議報告

世界の生産者が集まり種の未来を守る   ・・・・ 岩崎 政利

 イタリアのトリノ市で開催されたスローフード協会主催の第2回世界食のコミュニティー会議・テッラマードレ(2006年10月26日~30日)に参加してきました。

● 佐藤喜作のキサクな話 いじめと農業   ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。

● 06・12・10 農業・農村の未来と有機農業 シンポジウム報告・下(2回連載)

農の原点を確かめ未来をみつめる   ・・・・ 星 寛治

1、『自由貿易協定(FTA)で地域農業が致命的に』-日本の場合は、すでにシンガポールやメキシコ、フィリピンと自由貿易協定が結ばれており、これから、オーストラリア、アメリカ、カナダとの協定がひかえています。今、日本とオーストラリアとの自由貿易協定を進めると閣議で了承されて、具体的な折衝に入るという場面に至っています。これが現実になっていきますと、地域農業は致命的な打撃を受けるという局面が予測されます。お隣の韓国で、アメリカ、カナダとのFTAが実際にどのくらいのダメージを与えるか忠南大学の朴珍道先生が試算を出しておられますが、半分以上は潰されて45%ぐらいしか国内の農業は生き残れないと指摘しています。

2、『有機農業が公認される』-一つの朗報として、有機農業推進法が162名の有機農業推進議員連盟による立法という形をとって、超党派で全会一致、反対ゼロという珍しいケースで可決成立したわけです。今度の推進法で注目すべきは、有機農業の技術研究・開発に力点を置いていることです。今まで農家の自助努力でやってきた技術的な対応、経営、流通に対する考え方、そして消費者との関係、そのための市民意識・国民意識の高揚、そのための啓発活動について一定の努力をしていくということになるようです。

3、『自主管理の思想、その足場を見失わないように』-有機農業は、出発点としては明らかに反体制運動から始まったわけですが、35年間経って、法的にも体性内化されるということのなかで、自主管理の思想に基づくひじょうに自由な生産活動、あるいは流通とか、生活の変革というものが、自分の意思だけで続けることができるかどうかが懸念されますね。

4、『有機農業の原点、自然と人間の共存・共生』

5、『原点としての「提携10か条』

6、『家族農業を守り、自給・自立の有機農業運動を』

7、『自主食管「縁故米運動」に取り組もう

自然と人との共生 つながりを求めて

生産者と消費者の生協における「提携」の27年  ・・・・ 秦 左子

1、『提携』の『4つの約束」で発足

2、『3世代の消費者は今…』

3、『気候変動の影響などに耐えられるか』

4、『イベント化する援農、考え直す時』

5、『人と人とのつながり、共生する生命』

● 生産者と消費者の提携の方法について   ・・・・ 一楽 照雄

「生産者と消費者の提携の方法」は、日本有機農業研究会の発足(1971年)からほぼ7年後、各地での活動を踏まえてとりまとめられ、1978年11月25日、長野県臼田町佐久総合病院に於いて開催された第4回全国有機農業大会で発表された。近年は、このコメントを附した原典を見る機会が少なくなっていることから、全文を復刻し、掲載することにした。

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● [農場だより] わらしべ農園   ・・・・ 柳谷 励子

 岩手県花巻市から。「三陸の海を放射能から守る岩手の会」が05年2月に発足し、県議会や沿岸市町村などに、地道に、根気強く働きかけをしています。そしてその結果、07年度から三陸沖でのモニタリング調査が実施されることになりました。

● 06・10・28 第4回生産者・消費者交流会・特別講演

病害虫に負けない作物づくり -園芸作物を中心に(下)2回連載-   ・・・・ 杉山 信男

 有機栽培は、病原菌や害虫の存在を許容する、あるいは積極的にそれを利用する栽培技術です。先に述べたように、病原菌に侵されると植物は全身獲得抵抗性を示すようになりますし、害虫が蔓延すると、天敵の数も増えるので、病害虫の蔓延を一定程度以下に抑えることが可能です。近年では、病気にかかる前に全身獲得抵抗性を誘導し、抵抗性を高める薬剤の開発も行われ始めています。

 このように病原菌や害虫を根絶するのではなく、耐病性、耐虫性の品種を用い、また作物の抵抗力を高めるような栽培技術を栽培することによって、環境保全型農業を行うことができます。しかし、環境保全型農業をさらに推進していくためには解決しなければならない幾つかの課題が残っています。

● とれたて青年部(2) 春の畑のピクニック   ・・・・ 土屋 康二

 今回は青年部の中心メンバーの一人、日有研理事でもある井上昌代さんの「有機農園つ・む・ぎ」で催された交流行事の様子をお伝えします。無農薬の畑に自生しているよもぎを参加者自ら摘んでもらって、田んぼの中の特設会場で餅つきと一品持ち寄りランチを楽しもうという企画です。ランチの後は農作業体験(里芋植え)もありました。

● 各地から

 東北 「岩手県有機農業交流会」報告  ・・・・ 生川 克比古

 東北 「日有研福島県集会」報告  ・・・・ 小池 順子

 甲信越 長野県有機農業研究会大会報告  ・・・・ 二川 透

 九州 楽しかよ!有機農業の祭典  ・・・・ 諌山 二朗

● 「有機農業推進基本方針」最終案決まる

 「基本方針」(案)のパブリック・コメントへの本会の意見など   ・・・・ 日本有機農業研究会 提携と基本部

 有機農業推進法の公布・施行(06年12月15日)に伴い、今年1月、農水大臣は食料、農業、農村政策委員会生産分科会に「基本方針」の策定について諮問しましたが、3回目の3月27日(火)に開催された同委員会で、委員会に提出された案を最終案とすることで合意しました。したがって、所定の手続きを経て、4月以降にはこれが「基本方針」となる見込みです。今後、この「基本方針」に則った都道府県・市町村段階の「推進計画」の策定に移っていくことになります。

● 熱き心くん   ・・・・ 脇田 忍

 今月の就農レポート「熱き心くん」は、脇田忍さんです。化学物質過敏症になってから百姓始めて8年。岡山に来て1年。年収はかつての月収程度ですが、それでもぜんぜん貧しくない。楽に生活が回ってゆくから不思議です。陽が出たら野良へ行く。暮れたら帰る。薪風呂を焚き飯を作る。風呂に入り飯を喰う。暖まったら寝てしまう。冬の日常です。暖房使う暇がない。電気も昼間は使わない。水は山水。買物は生協が巡回します。農業は割に合わない仕事だと言われます。でもそれはきっと、仕事のすべてをお金に換算しようとするからではないでしょうか。

● 種から育てよう52「ぶどう ポートランドとハニージュース」   ・・・・ 武田 松男

 東京都杉並区から。ポートランドは、米国で育成された作りやすい品種で、8月中旬から緑黄色中粒が小形の房に熟します。アメリカぶどう特有の香りがあります。

 ハニージュースは、故澤登晴雄前理事長育成品種で、前者より少し遅れて、ずっと大粒の紫色で、大形の房に熟します。名前のとおり、ハチミツを思わせる甘さです。

 どちらも挿し木でよく発根し、無農薬でできています。収穫後の脱粒性があるので、自家栽培の生食で真価を味わえます。

● BOOK 『見えてますか?農業と農村の将来』使い捨て時代を考える会編著   ・・・・ しかたさとし

生産者と消費者の確実な関係を作り上げていこうと、新たな取り組みを紹介したのが本書『見えてますか?農業と農村の将来』。  >> 詳しく

● BOOK 『モー革命-山地酪農で「無農薬牛乳」をつくる』古庄弘枝   ・・・・ 久保田 裕子

「山地酪農」とは、「急傾斜の山地を日本芝で草地化して牛を周年放牧し、牛乳を生産する酪農」である。本書はそのような山地酪農を切り拓いてきた人々の物語である。  >> 詳しく

● 「全国健康村21ネット」の1周年を迎えて -第2回全国大会in大阪 開催   ・・・・ 小林 美喜子

 「全国健康むら21ネット」は、昨年4月大阪で、参加者400人余りのもとで発足して、1周年を迎えます。この4月29日(日)、30日(祝)、アピオ大阪(1030人)にて、第2回全国大会in大阪の集会を開催することになりました。甲田光雄医師の呼びかけでスタートした「健康むらづくり」運動ですが、自給、自立、共生の生き方、いのちを大切にした社会構築を目指した運動であると思ってこれまで各地で、いのちと環境を守る健康づくり・地域づくりを目指して、それぞれの分野で運動を展開してきましたが、その動きを点から線に、線を面にそして地域づくりにと協働の力を結集して、今こそ社会の大きな歯車を回す時だと感じています。

 

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