『提携』をひろげよう


『提携』をひろげよう

 

 有機農業の「生産者と消費者の提携」(「提携」)は欧米をはじめ世界各地に広がっていますが、国内では意外と知られていないのが実状です。

 より多くの方々に「提携」を知っていただくために、本会は、「提携」を実践する若い農業者が加わって「提携」を呼びかけるリーフレットをつくりました。

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有機農業を共に進めるために

 

 2008年3月1、2日に開かれた第36回日本有機農業研究会東京大会では、「つながるいのち・つなげるいのち―食と農の原点 有機農業から未来へ」をテーマに、「自給」と「提携」・「有機農業」を理念とした活動への参加を呼びかける次のような大会アピールを採択しました。

 「いのちを生み出し、健康を維持する食べものに対して、あまりにも他人任せにしすぎていないでしょうか。食べものを育む農業の現状をみつめてみましょう。そして消費者(都市生活者)も、自然と土、地域に根ざす有機農業を共に育てていきませんか。」


 

『提携って、知っていますか?』の呼びかけを

 

 本会はこのほど、「提携」を実践する若い農業者が加わって「提携」を呼びかけるリーフレットをつくりました。有機農業の「生産者と消費者の提携」(「提携」)は欧米をはじめ世界各地に広がっていますが、国内では意外と知られていないのが実状です。

 「提携」は、食べものをつくる人(生産者・農家)と食べる人(消費者・都市生活者)が直接つながり、有機農業を進め、共に支え合う、食べものと心と暮らしのつながりです。具体的には、有機農業でつくった農産物等を生産者から消費者へ直に届ける仕組み(組織)です。30数年前(1970年代初頭)から始まり、全国各地に多様な提携団体が活動しています。

 本会創立者一楽照雄さんは、最後の寄稿となった「有機農業と消費者-提携とボランティア活動」『土と健康』1992年12月号の中で、「提携」について、次のように書いています。

 「一般の消費者に対して生産者と消費者の提携を宣伝することを運動の重点に据えて、提携の仕方を伝え、その実践から生まれるメリットを説くことによって、農産物の流通には商品取引によるのが唯一ではなく、提携という道があることを知らせなければなりません。消費者は提携の道が有ることを知っただけでも消費者としての自立心を高めるのに役立つでしょう。」


 

「自給」を基礎に据え、広がりを

 

 「提携」という方法は、有機農業運動の中から自然に発生し、1978年にその実践を踏まえた「生産者と消費者の提携の方法」(提携10か条)に取りまとめられました。「提携」を通して、農家の自立、消費者の自立が高められ、そして、普遍的な自給につながる基礎となる一人ひとりの自給も促すことになるでしょう。

 有機農業は、豊かな生物が息づく、生きた「土」を要(かなめ)として生きとし生けるものが有機的につながり・つながる、本来のあるべき農業をめざし実践するものです。有機農業にふさわしい食べ方、買い方、暮らし方を追求していきましょう。